ヨーロッパ横断鉄道旅行-第7弾(ミュンヘン→ミラノ)(1)

ヒースロー空港
1日目

旅路へ

 朝まだきの暗い空の下、ホテルから空港に向かうバスに乗り込む。こんな時間に動く人は少ないだろうと高をくくっていたら、とんでもない。中型のバスは満席だ。
 人気がなく静まり返った道路をバスは進み、4時30分頃に羽田空港に到着する。多くのカウンターが真っ暗な中、わずかに灯ったカウンターで粛々と手続きが進む。
 搭乗までは予定通りだったが、その後機材トラブルが発生して、東京の空を飛び立ったころにはすっかり空が晴れ渡っていた。

 フライト自体は順調で、ロンドン・ヒースロー空港に11時40分(サマータイムなので日本マイナス8時間)に到着する。それでも出発が1時間遅れたわけなので、乗り継ぎ便の乗客は、係員に誘導されるまま考える暇もなくターミナルを次々に移動する。こうして、ミュンヘン行きの便に無事に乗り継ぐことができた。12時45分に出発。

 飛行機はヨーロッパ大陸を北西から南東に突き抜け、窓の下にはのどかな田園風景が広がる。その田園の真っ只中に着陸しようとしたその瞬間、飛行機が急上昇する。どうやら強風で着陸を取り止めたらしい。大きく迂回してもう一度着陸。今度は成功。15時50分(日本マイナス7時間)、ミュンヘン空港に到着する。

 空港の地下ホームから市街に向かう列車に乗り込む。16時20分に発車。列車は空港の地下から出ると、私が気づかないうちに左へと分岐していた。右に分岐すれば前回通ったS1経由でミュンヘン市街に向かうが、左に分岐するとS8という路線となる。列車はイーザル川の東岸を南下して市街地に入り、東から来た線路と合流すると、ミュンヘン東駅に停車する。ここまで来て、私はようやくS8に乗ったことに気がついた。
 列車はここから地下に入り、イーザル川の地下を抜け、イーザル門、マリエン広場を通ってミュンヘン中央駅の地下ホームに到着する。17時5分。
 ここから地下鉄ホーム(たとえ地下を通っていても、Sバーン(国鉄線)とUバーン(地下鉄)は別物である)に行き、地下鉄U1に乗る。数駅ほど郊外に行ったところで下車。

 閑静な住宅地の中にホテルはあった。フロント氏の注意を聞き流していた私は、なかなか部屋を見つけることができない・・・部屋番号とフロア数が一致していないのである。再度フロント氏に確認してわかった部屋の場所は、何と離れだった。ホテルの本館と離れの間には中庭があり、ここはホテルのみならず近隣のアパートにも隣接していて、そのアパートの住人らしき人々が憩っている。そのため離れの入口には鍵がかかっており、その鍵も自分で開ける必要があるのだ。本館から中庭への出口も、中庭から離れの入口も、離れの中の自分の部屋も見つけるのがちょっと一苦労で、部屋にたどり着くまでは迷宮のように思えてしまった。

 旅の疲れでぐっすり寝入った後に目覚めると、鳥の囀りがあちこちから聞こえてくる。きっと中庭の木々に住んでいる鳥だろう。これなら迷宮も悪くない。

続く
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