ヨーロッパ横断鉄道旅行-第6弾(ベルリン→ミュンヘン)(10)

ローレライ
5日目

フランクフルト→コブレンツ(ライン左岸線)

 朝、フランクフルト駅に行く。8時50分過ぎ、コブレンツ行きの快速列車が入線。全て2階建て車両だ。
 9時8分、列車が発車。すぐに大きな左カーブを曲がってマイン川を渡り、ニーダーラートに停車。ここからは二又に分かれる。左手に進めば、前日やって来た方向、すなわちマイン川に沿って遡りハーナウへ向かう。この列車は右手に進み、シュターディオンに停車する。この辺りから既に郊外になっていて、辺りには森林が広がる。やがて列車は長い地下トンネルに入り、9時22分、とある地下駅に停車する。ここは、フルクハーフェン・レギオナルという駅だ。文字通りフランクフルト空港(ドイツ語では空港を「フルクハーフェン」と言う)の地下駅である。そして、「レギオナル」(ローカル)と名乗る通り、ここは近郊列車専用の駅であり、ICEなどの長距離列車は地上にある駅に停車するそうだ。

 列車は地下トンネルを進み、地上に出る。フランクフルトを出発するまでは曇っていた空が青く晴れ渡っている。大型の旅客機がすぐ真上を飛んでいる。列車はマイン川沿いの平原を南西に進む。リュッセルスハイムに停車する。発車後すぐにオペルの工場と広大な引込み線が見えてきた。ちなみに、ここにあるSバーンの駅(通過)は、その名も「オペルヴェルク」である。
 そして列車は、南東のダルムシュタットからやって来た線路と合流してビショフスハイムに停車。フランクフルトではガラガラだった車内に、乗客が増え始める。そして、マイン川とライン川の合流点のすぐ南でライン川を渡る。川の向こうには、大聖堂を中心とした美しいマインツの旧市街が見える。
 レミッシェス・テアターに停車。ここはもうマインツの市街地だ。丘を貫くトンネルをいくつも潜り抜けて、9時49分、列車はマインツに停車する。

 マインツを発車した列車はライン川に沿って走るのだが、川の姿を見ることはできず、川沿いの丘陵地帯を行く。10時2分、インゲルハイムに停車。やがて、右手にライン川が姿を現す。10時10分、ビンゲンに停車。ここからは川の対岸にも注目だ。ちょうどビンゲンの対岸はニーダーヴァルトと言い、山上に巨大な記念碑が建っているのだが、ここから見ると灰色の小さな点にしか見えない・・・。

 ビンゲンから先は、右手にライン川を見渡す景勝路線となる。このラインの左岸を走る路線はライン左岸線と呼ばれて主に特急や快速列車が走る(もちろん各駅停車もある)。一方、川の対岸(右岸)にも路線があり、こちらはライン右岸線と呼ばれているが、各駅停車のみの運行だ。
 ライン川上には、大きな貨物船や観光船が行き交う。ここは国際河川なので、様々な国旗を掲げた船を見ることができる。
 アススマンスハウゼンやロルヒなどの対岸の街が見える。一方で、ニーダーハイムバッハやバッハラッハなど、こちら側の街の様子はよくわからない。そして列車はカウプの街の前に浮かぶプファルツ城を通過する。そして10時22分、オーバーヴェッセルに停車。

 発車後すぐに、ライン川は大きく右にカーブし岩礁が顔をのぞかせる。いよいよ川の難所に入ってきたようだ。列車の方は、いくつものトンネルをスイスイと抜けて進む。そして、ライン川最大の難所・ローレライがその姿を現した。数多の船乗りを惑わし、船を転覆に導いた水の妖精の歌声が聞こえてくるのではと、思わず耳を塞ぎたくなった(笑)。

 幸いにして何も聞こえず、列車はザンクト・ゴアールを通過。対岸のザンクト・ゴアールスハウゼンの背後にはカッツ城すなわち「ネコ」城が見える。この辺りのライン川渓谷には実に古城が多く、旅人をロマンティックな気分に誘ってくれる。ところが、このように多数の城が造られたのは、川を行き交う船から通行税を巻き上げるため、というロマンティックとは全く無縁な理由による・・・。先程通過したプファルツ城などは、その目的に見合った最たるものである。それでも、現在ではいくつもの古城がホテルになっているそうで、私も機会があれば古城ホテルでロマンチックなひと時を過ごしてみたいものだ。

 そんなことを考えている間に、列車はケスタートの対岸を通過し、バート・ザルツィヒを通過する。そして列車は、10時36分、ボッパルトに停車する。列車はすぐにライン川と共に右に大きくカーブしてフィルセンの対岸を通過すると、さらに右カーブに入る。すなわち大きなヘアピンカーブを描いているのだ。ようやく直線になってオスターシュパイの対岸を通過したかと思うと、今度は大きく左にカーブする。カーブを抜けた辺りにブラウバッハの街があり、その山上には白亜のマルクスブルク城が聳え立つ。

 ようやく列車は北西に向かってまっすぐ進む。そして大きな市街地に入り、10時48分、終点のコブレンツに到着する。わずか40分あまりのライン左岸線の旅は、ここで終わる。

続く
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