ヨーロッパ横断鉄道旅行-第4弾(ウィーン→プラハ)(11)

ノヴェー・ウードリー行き列車(クルムロフ駅)
6日目

チェスケー・ブディェヨヴィツェ→チェスキー・クルムロフ

 空は良く晴れている。絶好のお出かけ日和だ。ブディェヨヴィツェ駅のホームに出てみると、そこには既にノヴェー・ウードリー行きの列車が入線していた。ローカル路線だから全て2等車である。牽引するのは、赤と白に塗り分けられたディーゼル機関車だ。客車の床は低く、自転車を押した人が次々に乗ってくる。車内には自転車用のスペースも用意されている。

 10時7分、列車が発車する。大きな車両基地の中をまっすぐ南に進むと分岐して西へと大きく向きを変える。ここをまっすぐ南に進めば、チェスケー・ヴェレニツェを経由してウィーンに行くことができる。西に向かった列車は、マルシェ川を渡ってチェスケー・ブディェヨヴィツェ・イジュニー・ザスターヴカという読み上げるのも困難な駅に停車する。ここを出ると線路は南に大きくカーブして、今度はゆるやかに二手に分岐する。まっすぐ進めばオーストリアのリンツに至るが、この列車は右に分岐してゆく。この辺りからブディェヨヴィツェの市街地を離れて郊外になってゆく。

 ヴルタヴァ川を渡ってしばらくすると、チェルニー・ドゥブに停車する。緑の草原と森が広がるのどかな風景になる。いくつもの丘を上り下りする。クジェムジェを出ると、少し深い谷川を渡る。列車はホルボフトジーソフと続いて停車するが、自転車を押したり、リュックを背負った人々が次々に下車してゆく。晴れ渡る青空の下、こののどかな風景の中に身を委ねない手はないだろう。これらの人々と共に途中下車したくなる誘惑に何度もかられる。
 丘一面に緑が広がる風景は、プレショヴィツェの辺りでいったん終わりを告げ、その先はヴルタヴァ川沿いの平地が少し開けてくる。やがて平地の中に大きな町が見えてきた。11時4分、チェスキー・クルムロフに停車する。

 ホームらしいホームもない駅に降り立つ。ここはクルムロフの町から少し離れた高台にあるので、町まで行く方法を思案しながら駅舎の周囲を探っていると、対向列車と待ち合わせて多くの乗客を降ろした列車がようやく発車する。これからさらに2時間ほどかけてドイツ国境のノヴェー・ウードリーまで向かう列車を、私は踏切で見送った。

続く
目次へ

"ヨーロッパ横断鉄道旅行-第4弾(ウィーン→プラハ)(11)" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント