ヨーロッパ横断鉄道旅行-第1弾(イスタンブール→アテネ)(15)

アテネ空港駅
8日目

アテネ(3)

 朝ホテルを出てシンタグマ広場に向かう。2日前には大規模なデモが行われた場所だが、今は大勢の人々が勤め先に向かうために通り抜けているに過ぎない。ここから地下鉄シンタグマ駅に入って2号線に乗り、オモニア駅で1号線に乗り換えて北に向かう。
 ビクトリア駅で下車して外に出てみたものの、周囲はビルに囲まれていてすっかり方向感を見失ってしまう。その結果さんざん道に迷ってしまい、通常なら駅から10分程度で行けるはずの考古学博物館に30分以上かけて行き着く・・・。

 このアテネの国立考古学博物館は、期待通りの施設であった。ギリシャ各地から集められた収蔵品が50以上の展示室に並べられている。中にはエジプトからの出土品もあったりする。展示室にずらりと居並ぶ彫刻群は、一つ一つが貴重なものだが、こうして一まとめになると、それ自体がものすごい迫力となる。私個人的には、赤や橙の背景に黒で細かく描かれた(あるいは逆に黒の背景に橙で描かれた)人物像が素晴らしい古代アッティカの彩文土器が好きなのだが、これらの土器を、これでもかというくらい大量に見せられると、さすがにお腹いっぱいになってしまう。

 考古学博物館を出てビクトリア駅に戻り、再び1号線に乗って南に向かう。モナスティラキで下車し、3号線に乗り換える。3号線はアテネ市街を東北に向かい、ドゥキシス・プラケンティアスから郊外鉄道に乗り入れて、エレフテリオス・ヴェニゼロス空港に至る。
 ところが、ドゥキシス・プラケンティアスに着いた列車からは乗客が悉く下車してしまい、私も他の乗客に促されて降りる。どうやらこの列車はドゥキシス・プラケンティアス止まりだったらしい。仕方なく地上に出て、郊外鉄道に乗り換える。
 アテネの郊外鉄道と言うのは、日本では対応するものがないので説明が難しいのだが、主にアテネ近郊の国鉄線の線路を利用しており、国鉄線より運行本数は多い。ただし、アテネ北郊から空港に向かう路線は郊外鉄道独自のものである。
 アテネ市街の地下鉄駅から空港までの切符の料金は6ユーロ(2010年5月時点)であり、48時間以内は郊外鉄道・地下鉄に乗り放題である。

 さて、ドゥキシス・プラケンティアスの地上駅から郊外鉄道に乗る。列車は特急のような外観で、もちろん電化されている。車内は真新しくとてもゆったりとしており、トイレも完備している。時間帯のせいか乗客数は非常に少なく、乗る列車を間違えたのではないかと不安になったほどだ。既にアテネの市街を離れており、車窓にはアッティカ地方の平原が広がっている。ドゥキシス・プラケンティアスを出発してから20分ほどで空港駅に到着する。駅を出ると、すぐ目の前が空港である。

 ヨーロッパの地を初めて踏みしめたこの旅行は、地中海の潮風と文明の息吹を思いっきり吸い込んで、ここアテネで幕を閉じる。

目次へ

"ヨーロッパ横断鉄道旅行-第1弾(イスタンブール→アテネ)(15)" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント