シルクロード鉄道旅行-第1弾(北京→西安)(1)


4月29日

北京へ

 暗闇の中に、滑走路を照らすライトだけが異様に浮き上がって見える。北京の空は雨模様だった。中国時間で21時過ぎ、日本時間なら22時を過ぎている。
 入国審査を終えると、素早く空港の外へ。荷物を預けなかったので、時間のかかるピックアップ作業もなく、日本で両替を終えていたので、両替カウンターに並ぶこともない。早く外へ出るのにこだわったのには理由がある。
 中国へ行くのはこれが初めてではないが、北京は初めてである。しかも低料金の飛行機を選んだために到着時間は遅くなる。だから北京空港の情報に関しては、インターネットを使ってかなり調べたのだ。そこには、「ロビーには白タクの運転手がたくさん待ち構えている」、「正規料金の数倍もぼったくられる」等の情報が溢れていた。私は正規タクシーの乗り場の位置まで事前に把握し、なるべく空港内でモタモタしないように万全の工夫をしたつもりだったのだ。
 しかし実際にロビーに出ると、それっぽい怪しい人影はまばらで、何の危険も感じずに正規のタクシー乗り場までたどり着いた。タクシー乗り場は大勢の人でごったがえしており、しかも整然と並んでいるわけではないので、なかなか前に進めない。
 ようやくタクシーに乗り込む。だが、まだ安心はできない。中国語が全くできない私は、ホテル名を漢字で書いてみせるのだが、運転手さんには通じないようだ。仕方なくガイドブックの地図を使いながら場所を説明してようやく解決した。後でわかったのだが、現在の中国では同じ漢字でも簡体字を使わないと通じないのである。(日本人になじみのあるのは繁体字である。)行き先は解決したが、それでも安心できない。私はメーターが使われるかどうか、さりげなく注意して見る。その時、「チャリーン」という音がしてメーターが動き出した。そのうえ、運転手さんは「高速道路を使うので、料金に10元追加する」ということまで説明してくれた。とりあえず安心である。(結局トータルの料金は100元もしなかった。ほぼ相場通りだ。)インターネットの情報は誤りではなかったのだろう。おそらく、北京オリンピックに向けて当局が取り締まりを強化した結果ではないだろうか。
 北京の市内に入ると、近代的な高層ビルが幾重にも立ち並んでいるのが見える。道路を横断する歩道橋には色とりどりの電飾が取り付けられ、目を楽しませてくれる。小降りだった雨が強く降り始める。天安門広場の前を通る。テレビではおなじみの風景だが、実際に目の前で見るとその大きさに圧倒される。
 ようやくホテルに到着。既に23時を回っている。チェックイン時に、日本で予約していた西安行き列車の切符を受け取る。フロント係の人から、この切符を手配した旅行会社に確認の電話をするよう言われたが、こんな時間に電話するのも非常識かと思って放っておいた。風呂に入って、ようやく床に就こうとした時、部屋の電話が鳴った。出て見ると旅行会社の人だった。切符受け取りの確認だった。中国のビジネスマンの熱心さに感心しつつ、眠りに落ちる。だが、こうした確認の重要性を思い知ることになるのは、ずっと後のことになるのだ。

続く
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北京

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