ヨーロッパ横断鉄道旅行-第12弾(ピサ→ミラノ)(14)

赤の宮殿・白の宮殿
6日目

紅白

 朝、ホテルをチェックアウトするとプリンチペ駅に向かい、荷物を預けて地下鉄に乗り、サン・ジョルジョで下車。
 さあ、ここからが大変だ。ガリバルディ通りを目指すものの、古い港町であるジェノヴァの路地は、狭く入り組んでいる。タブレット端末で時々位置を確認しているにもかかわらず、油断するとすぐに道を迷ってしまう・・・

 ようやくガリバルディ通りへ。現在の市庁舎であるトゥルシ宮の宮殿が並んでいる壮観な眺めだ。
 これらの建物への入場券は、近くの本屋で売られている。まずは赤の宮殿へ。いきなり巨大絵画が待ち構えていて驚く。豪勢な部屋の数々もすごいが、やはりテラスからの眺めも良い。、そして山側の景色を堪能できる。
 次いで白の宮殿へ。トスカーナやジェノヴァの絵画を中心に展示されている。本来トゥルシ宮に通じる通路があるそうなのだが、この時工事中で、中庭を通ってトゥルシ宮に向かう。
 トゥルシ宮は市庁舎でもあるので展示スペースは少なく、かつコレクションもそれほどでもない。しかし、由緒ありげな会議室やロッジアの眺めは素晴らしい。

 次の目的地、スピノーラ宮殿へは直線距離では大したことないはずなのだが、途中昼食のために寄り道したせいなのか、私が方向オンチなのか、これが意外にたどり着けない。さらには真っ昼間なのに夜のお姉さんに客引きされたりして、路地裏の怖さも思い知らされる。
 それでも、やっとの思いでたどり着いた(私だけ?)スピノーラ宮殿は、それだけの価値がある所だった。壁一面の絵画に囲まれて、しばし時を忘れる。ここにもテラスはあるが、相対的に低い位置にあるせいか、眺めはそれほどでもない。

 港から山側に行くのは上述したようになかなか大変だったのだが、その逆は意外に簡単である。海という大きな目印があるからかもしれない。のデパートで、買い残したジェノヴァのおみやげを買う。
 いよいよジェノヴァを去る時が近づく。後ろ髪を引かれる思いで地下鉄に乗る。

続く
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ヨーロッパ横断鉄道旅行-第12弾(ピサ→ミラノ)(13)

ポルトフィーノ湾
5日目

隠棲

 朝、ジェノヴァ・プリンチペ駅に行く。前日に到着した地上ホームではなく、この日は地下ホームに下りる。「地下」と言っても実際は地上である。地上ホームや駅舎が高台にあるので、海側のこのホームは「地下」に見えるだけだ。とはいえ、このホームのブリニョーレ側の半分は実際にトンネルの中なのだ。山が海に迫るリグーリア地方の複雑な地形を象徴するかのようだ。

 そうこうしているうちに、セストリ・レヴァンテ行きの列車が入線する。8時14分に発車。そのままトンネルに入り、抜けるとジェノヴァ・ブリニョーレに停車。R(Region)列車だから各駅に停車すると思っていたが、意外にもここからは快速運転となり、町はずれのジェノヴァ・ネルヴィまで停まらない。
 その後も快速運転は続き、ボリアスコレッコカモーリの順に停車する。カモーリからは内陸に入り、ポルトフィーノ半島を横断して反対側のサンタ・マルゲリータ・リグレに停車。8時50分過ぎだ。

 は高台にあるので、少し歩いて街に下り、港へ向かう。ポルトフィーノ行きのフェリーまで少し時間が余ってしまったので、しばらくブラブラ。街はを中心にカラフルな建物が建ち並び、ちょっと風格というアクセントを添えるかのように小さなお城まである。ここもリヴィエラのリゾート地の一つなのだ。

 のんびり街を歩いていたら、いつの間にか港に大行列ができている・・・危ない。チンクエテッレ同様、ここにも観光客が押し寄せ、フェリーはあっという間に超満員となる。10時15分に出航。次第に遠ざかるサンタ・マルゲリータ・リグレの街を眺める。やはり港町の美しさは、海上からでないとわからない。
 フェリーは半島に沿って南に向かう。山のあちこちに瀟洒な邸宅庭園が見える。住宅というよりも、別荘なのであろう。
 やがてフェリーは半島の南端近くで向きを変え、入江に入ってゆく。その入江もまた、カラフルな建物に覆われている。ここがポルトフィーノである。

 フェリーを降り、少しを巡る。見るからに豪華なクルーザーがそこかしこに停泊している。ポルトフィーノは、実は世界中の富裕層の隠れ家として現在人気の地であるらしい。

 港から小高い丘に登ってみよう。現れたのは、別荘?いやだ。いや、実はどちらも正しい。元はジェノヴァが建てた城だったが、ブラウンというイギリス人が買い取り、一時期別荘にしていたのである。
 ここから見たポルトフィーノの入江の景色は・・・素晴らしい。これで天気さえよければ、何も言うことがないのだが。
 今度は、城の搦手?から出て丘を下りてみよう。その麓には珍しい黄色の教会(サン・ジョルジョ教会)が建っている。

 昼食。と思ったが、やはり金持ちが集まるところだけあって、レストランは軒並み高い・・・。多くの人々と同様、私もこんな所に別荘を構えて優雅な隠遁生活をすることに憧れるが、どうやら現実には別荘どころか半日も過ごせないようだ(笑)。結局ピザとビールだけ口にして、早々に退散することに。

 サンタ・マルゲリータに戻ると、また少し歩いてみる。大きな教会を発見。その名もサンタ・マルゲリータ教会。町名の由来なのであろう。よく見ると、辺りも門前町のようになっている。が、シエスタにはまだ早い時間帯なのに、多くの店が閉まっている。この街にとって、まだシーズンオフなのだろうか?

 駅に戻る。14時1分、サヴォナ行きの列車に乗る。これは各駅停車だった。ふと気がつくと太陽がまぶしい。朝からずっと曇っていたのに、どうして今頃になって晴れるんだ!!!と呟いたところで、今更ポルトフィーノに戻る気力・体力はもはやない・・・私の気分は晴れないまま、列車は14時51分、ジェノヴァ・プリンチペに到着。今度は地上ホームである。

続く
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