シルクロード鉄道旅行-第9弾(テヘラン→イスタンブール)(10)

マラテヤ駅
エラズー→カイセリ

 列車はすぐに出発する様子もないので、私もホームに降りてみた。エラズー駅の広いホームには、既に多くの乗客達が思い思いに歩き回っている。ホームを出た所には食料を売る売店があり、乗客達が長蛇の列をなしている。だが、ここではドルが使えず、何も買うことができない・・・。

 17時38分、列車が出発する。エラズーの市街地を抜けると、トルコ南東部のディヤルバクル方面へと向かう線路と分岐する。そして、また山道を登り始める。
 私は食堂車に行ってみることにした。価格は全てトルコリラ表示だが、ドル払いも可能だ。さっそく羊肉のソテーとミネラルウォーターを注文した。久々に温かい食事とおいしい水にありつけたのでほっとしたが、値段は決して安くはない。

 列車は19時を過ぎてから2つの小さな駅に停車する。外は次第に暗くなる。やがて、闇の中に大きな湖が浮かび上がる。湖岸の街の灯りが美しい。カラカヤダムのダム湖だ。このダム湖は、エラズーの手前で見たケバンダムの下流にあたり、ここからさらに川を下ると中近東最大と言われるアタテュルクダムに至る。
 20時20分過ぎ、ついにこのダム湖に架かる鉄橋を渡る。長さが数kmはあると思われる長い橋だ。列車はしばらく西に向かった後、南へと向きを変え、大きな都市の中に入って行く。21時35分、マラテヤに到着する。駅舎は、今まで見てきたトルコの駅と比べると格段に大きく立派だ。

 21時52分、マラテヤを発車する。マラテヤを出ると鉄路は西に向かい、やがて2つに分岐する。まっすぐ西に向かう鉄路は、トルコ南部の地中海沿岸そしてシリアへと通じる。テヘランからシリアのダマスカスに向かうトランス・アジア・エクスプレスはこのルートをとる。一方、私達の乗ったイスタンブール行きのトランス・アジア・エクスプレスは、分岐して北へと大きく向きを変える鉄路の上を走る。
 列車は、今までノロノロ走っていた分を取り戻すかのようにスピードを上げる。だが、日に日に疲労がたまっている私は、これ以上列車の動きを見守ることができない。そそくさと寝支度を始め、そしてあっという間に眠りについてしまった。

 以前から述べているように、時刻表に書かれた時刻との乖離が大きく、どの駅を何時に過ぎたのかは知る由もないが、せめて地図上で列車の動きを追ってみることにしよう。
 マラテヤから北に向かった列車は、徐々に北西に進路をずらしながら進み、カンガルの辺りで、アルメニアからトルコ北東部を経由して来た鉄路と合流する。さらに北西へと進み、スィワスに到着する。スィワスを出ると鉄路はまた二手に分岐する。北西へ向かう鉄路は、黒海沿岸の町・サムスンに通じる。もう一方の鉄路は南西に伸びており、我らが列車はこの鉄路を行く。

 目が覚めると、時刻は6時前だった。列車は小高い丘陵地帯を走っている。陽光が射し込み始めたものの、まだ冷え込みは厳しく、エアコンも暖房になっている。遠くに見える岩山は、何層も積み重なった地層が鮮やかなグラデーションを成していて、思わず見とれてしまう。そう言えば、これから向かうカイセリは、鮮やかな地層や奇岩で有名なカッパドキア地方への入口なのだ。
 そうこうしているうちに、列車は大きな市街地に入ってしまう。いくつものアパートが並んでいるのが見える。7時7分、列車はカイセリに到着する。

続く
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エラズー~マラテヤ


マラテヤ~スィワス~カイセリ

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