シルクロード鉄道旅行-第8弾(ブハラ→テヘラン)(8)

アシュガバッド→マリー(1)
アシュガバッド→マリー

 車は、アシュガバッドから東へ向かう片側2車線の幹線道路に乗る。しばらく進んだ所で南に折れ、小道に入る。やがて前方に丘が現れ、その一画に廃墟のようなものが見える。ここがアナウである。
 アナウは、かつてアシュガバッドの市街地があった場所だが、1948年の大地震によって壊滅してしまい、それ以後は市街地が現在の場所に移動してしまった。現在では若干の廃墟と、かつて壮麗さを誇っていたというセイットジュマール・アッディン・モスクの痕跡を残すのみである。しかし、聖人の墓があるこのモスクのためか、ここは地元の人々の聖地となっているようで、ニサでは全く見かけなかった地元の人々がたくさん訪れ、とても賑っている。

 来た道を引き返し、再び幹線道路に合流して東へ向かう。道は次第に狭くなり、ついには片側1車線でセンターラインもない道路になる。舗装の悪い所もしばしばある。それでも、車はおそらく時速100km超で走っている。トラックなどの大型車も多いので、反対車線に出て追い越しを頻繁にする。昔なら冷や汗をかきまくったに違いない状況だが、シルクロードの旅の中でいろんな道を走ってきたせいか、もう何とも思わなくなってしまった。
 窓の外には、1日前に列車で通った、アシュガバッドから東へと伸びる線路、そして遠くにはコペット・ダグ山脈が見える。草を食む羊や牛の群れをよく見かける。

 アナウを出て1時間30分ほど経った時、車は突如道端に停まる。そこには、赤い花の咲き乱れる草原の中に、崩れた土レンガの廃墟が無数に点在していた。この遺跡はアビワードという名前で、8世紀にはオアシス都市として栄えたものの、13世紀にモンゴル軍に破壊されるなどして衰退し、ついには放置されてしまったそうだ。現在でもほとんど調査されておらず、正式な観光地にすらなっていない。Nさん達は、観光客がここを通る機会があれば、休憩を兼ねて立ち寄るようにしているそうだ。「国敗れて山河あり 城春にして草木深し」と思わず口をついて出てしまう。

 そこからさらに1時間30分ほど進んで、ようやく大きな町に入る。テジェンである。時刻は既に17時を過ぎている。テジェンから少し東に進むと、大きな沼が見える。沼のほとりのレストランに入る。ここで魚のシャシリクを初めて食べる。おそらく沼で獲れる魚で、マスの仲間だと思われる。塩などで十分に味付けされており、脂もたっぷりのっていて、とてもおいしい。

 18時にレストランを出発する。空は昼間から曇っていたが、この時間になってついに雨が降り出す。しばらくして、前方に踏切が現れる。この線路は、1日前に通った、トルクメニスタンを東西に貫く線路から南に分岐して、イラン国境のサラフスへと向かう線路だ。珍しく遮断機が下りている。右の方からディーゼル機関車に牽引された貨物列車がやって来る。おそらくイランからやって来た列車なのだろう。

 19時、空がようやく夕闇に包まれた頃にマリーの市街地に入る。マリーはトルクメナバットほど大きくはないが、トルクメニスタン有数の都市だ。大通りを進むと、あの馬上の英雄像が道路の中心に現れ、沿道には大きなモスクが見える。道路沿いのホテルに到着する。

続く
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