ヨーロッパ横断鉄道旅行-第14弾(ニース→マルセイユ)(8)

フェリー乗り場(サント・マルグリット島)
透明

 駅のコインロッカーに荷物を預け、街に出る。何も考えずに駅の反対方向にまっすぐ歩くだけで海岸通りに出る。そこは、世界で何が起ころうともずっと陽気でいられるのでは?と思えるくらい明るい場所であった。だが、他のリゾート地と同じく、ここでも散歩以上のことをしようとすれば、何をするにもお金がかかってしまう。だから私は、街の喧騒から逃れるように港へと向かう。ビーチのすぐ隣に、今や大型船の停泊にはすっかり適さなくなった小さな旧港がある。係留されたクルーザーがずらりと並ぶ姿は圧巻である。

 旧港のずっと奥に、新しい港が続く。ここのフェリー乗り場からは、カンヌ沖合のレランス諸島へ向かう船が出ている。
 フェリーは12時ちょうどに出港。ヘリポートのある港の灯台をたちまち通過すると、大型客船やクルーザーが行き交うナプル湾に出る。屋根がないので、正午の陽光をまともに浴びてしまうのがつらいが、その分海風が心地よく感じる。まもなく島影が現れ、フェリーはそこに近づいていく。12時15分、サント・マルグリット島に到着

 まず、海底が透けて見えるのに驚く。カンヌのような都市の間近にあるとはとても思えないくらいだ。
 驚いてばかりもいられないので、どこかに歩いて行こう。フェリー乗り場から東に歩くと、小高い丘の上に要塞がある。以前は監獄であった場所で、かの「鉄仮面」も収監されていたと言われる。現在は海洋博物館になっているが、廊下や部屋はとても狭く、監獄だった時代を偲ばせる。
 要塞の城壁からは、島の美しい海岸ナプル湾、そしてニースの方まで一望できる。

 要塞を出て、花咲く小道を歩いて港の方へ戻る。レストランは混み合っているから、何かテイクアウトできるものを探していたのだが、どうやらチャーハンに見える写真を見つけたので、思わずその品を買ってしまう。ところが、それは米ではなく、クスクスのサラダ(タブレ)であった・・・まあ、デュラム小麦からできているので主食には違いないが。
 海岸は暑くて仕方ないから、少し小高い丘に登って木陰で休む。

 14時15分発のフェリーが、10分ほど遅れてやって来る。フェリーはをあっという間に離れると、ナプル湾を通り、そしてカンヌの港が再び現れる。クルーザーのポールがまるで剣山のように無数に聳えて町を守っているかのようだ。14時40分に到着。

 芋の子を洗うよりも若干少ないかもしれないが、それでも海水浴客でごった返すビーチを後にして、駅へと向かう。カンヌで遊べるようになるには、私には何十年も早い気がする(笑)。

続く
目次へ

"ヨーロッパ横断鉄道旅行-第14弾(ニース→マルセイユ)(8)" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント