ヨーロッパ横断鉄道旅行-第14弾(ニース→マルセイユ)(2)

ディーニュ行き列車
2日目
(支線)ニース→アントルヴォー

 空はよく晴れている。国鉄線のニース・ヴィル駅を通り越して少し北へ歩く。朝市であろうか、街の一角に果物・野菜・花が並べられている。
 徒歩数分で、もう一つのニース駅にたどり着く。こちらのニース駅は人の出入りも少なく、うっかりするとそれと気づかないかもしれない。「プロヴァンス鉄道」という、その名もゆかしい鉄道の起点である。駅前には沿線のマップが描かれている。ホームにはパンタグラフのない2両編成の列車が既に入線、と言うか、1日にわずか数往復の運転であるから、運転していない時間はホーム上で待機しているに過ぎないのであろう。このような路線である以上、電化されているはずもなく、動力はディーゼルである。だが、デザインを見る限り、まったくローカル線らしくない洗練されたものだ。何だかプロヴァンスの矜持のようなものさえ感じる。

 前回の旅で乗ったタンド線と同様、このプロヴァンス鉄道(地元ではCP線と略されるようだ)もまた山へ向かう。それを暗示するかのように、線路の先には丘陵が見える。

 タイトルに示したように、この路線は私が西へ西へと向かうための路線(これを「本線」と呼ぼう)ではないのだが、全長約150kmにもおよぶため、1回の記事では書ききれない(もったいない)ので、これから数回に分けて書こうと思う。

 さて、9時頃になって列車の扉が開き、乗車可能になる。ホームで待っている人も少なく、余裕で1番前の座席に着く。発車前には既に検札も済んでしまう。言い忘れたが、この列車はプロヴァンス鉄道のもう一方の起点、ディーニュ・レ・バンへ向かう。

 9時26分、いよいよ発車する。ホームを離れた瞬間、線路は1本に収束する。次の駅Gambettaを通過(どうやら主要駅以外は、乗客がリクエストまたはホームに待っている人がいる場合を除くと通過する、いわゆるリクエスト・ストップである)すると、駅からも見えた丘の下のトンネルを抜ける。その後も断続してトンネルが続く。
 9時33分、Le Madeleineに停車。ここで初めての対向列車待ち合わせとなる。その後もトンネルが断続し、ニースの西を流れるヴァール川のほとりに出る。9時40分、Lingostiereに停車。ここで一気に満席になる。駅の構内には車両基地もある。しばらくはヴァール川沿いの開けた平地を北上する。その後も次々と乗客が乗ってくる。

 やがて平地は徐々に狭まる。特に川の西側は険しい山になっていて、その中に村が点在しているのが見える。10時3分、Levens Plan du Varに停車。
 対向列車を待つこと12分、10時15分にようやく発車。ここからは平地はなくなり、峡谷となる。小さなカーブが続くため、列車もよく揺れる。10時19分、La Tinee Arretに停車。トンネルを抜けると、ヴァール川に沿って今度は西に進む。

 10時34分、Villars sur Varに停車。村は丘の上にある。Touet sur Varを過ぎると、少し峡谷が開ける。やがて少し大きな町、ピュジエ・テニエに停車、10時55分。隣のホームにはトロッコ車両そしてSLが停車している!これは、週末に運行されるというピュジエ・テニエーアノ間のSLなのであろう。これに乗るためか、大勢の乗客がピュジエ・テニエで降りてゆく。
 列車はさらに峡谷を西に向かう。岩山の上に大きな砦が見え、麓には岩に溶け込みそうなが見える。11時4分、アントルヴォーに停車。

続く
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CP線ニース駅


アントルヴォー駅

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