ヨーロッパ横断鉄道旅行-第9弾(ヴェネツィア→フィレンツェ)(9)

マンツォーニ劇場
夏の夜の夢

 ようやく駅前にたどり着いたものの、今度は発着するバスの多さに戸惑ってしまう。市街の中心部に行くにはどうすればいいのかわからないのだ。だが、今はインターネットの時代。市バスのサイトを調べたりして、25番バスに乗り込む。バスは駅から南に向かい、途中で東に折れる。本来ならこのバスは街の中心・マッジョーレ広場まで連れて行ってくれるはずなのだが、いつも通り、どこで降りればよいかわからず、カンで降りてみると、そこは1つ手前のバス停であった・・・。ボローニャ名物・巨大なポルティコの商店街を歩いて、マッジョーレ広場にたどり着く。

 中央にネプチューンの噴水のあるこの広場は、市庁舎になっているコムナーレ宮サン・ペトロニオ聖堂バンチ宮、そしてツーリストインフォメーションのあるポデスタ館などの大きな建物に囲まれている。

 まずはサン・ペトロニオ聖堂へ。ゴシック様式の建物で、高い柱が並び、壁には数多くの祭壇画が掲げられている。面白いことに、床に黄道を表した線が描かれ、12星座を表した点を結んでいる。他の建物は中に入ることができないので、立派な外観を見て楽しむ。

 もう昼時も過ぎようとしているので、広場近くのレストランで昼食。まずは地元エミーリア・ロマーニャ州特産のパスタ、トルテリーニのクリームソース仕立て。トルテリーニの中には刻んだハムが詰められている。そしてもう一つのボローニャ名物・ボローニャ風カツレツも忘れず注文。カツレツの上にハム、さらにその上にトロトロのチーズが載っている。出てきた皿を見て一瞬「注文を間違えられたか」と思ったのだが、それはチーズが表面を覆いつくしていたからだ。その後イタリアで何度も「ボローニャ風」カツレツを食べたが、ここのカツレツを上回るものにお目にかかったことはない。

 マッジョーレ広場を出て東に歩くとすぐに2本の高い塔が現れる。ピサならぬボローニャの斜塔である。ところが、工事中のため、登ることができない・・・。
 斜塔のそばから北東に伸びているザンボーニ通りを歩く。小さなポルティコの続くこの通りには、文化的な施設が立ち並ぶ。ボローニャ歌劇場、国立絵画館などの博物館、そしてヨーロッパ最古の総合大学・ボローニャ大学だ。国立絵画館は、この日は13:30で閉まるため、入場できなかった・・・。通りの終点・聖ドナート門まで行き、そこから37番バスに乗って駅に戻る。そして駅近くのホテルに到着。

 19時前、激しい雷雨に見舞われるが、やがて止む。20時過ぎ、マッジョーレ広場へまっすぐ伸びるインディペンデンツィア通りに向かう。ここから少し入ったところにある小さな劇場に入る。だが、客席は思ったより広く、高さも4階分ある。私のようにラフな格好の人は多いが、中にはタキシードでばっちり決めている紳士もいる。
 21時、幕が開く。先ほど見たボローニャ歌劇場の楽団員による交響楽コンサートだ。指揮者はアメリカから招聘している。プログラムはいずれもメンデルスゾーンの曲。波動が真正面からぶつかって来る。やっぱり生演奏はいい。最後は「結婚行進曲」で締めくくる。今は夏ではないが、夜の夢であることには変わりない。
 23時に閉演。夢から覚めた人々は三々五々散って行く。バスが来るかどうか心配だったが、深夜バスがあったので、それに乗って帰る。

続く
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