ヨーロッパ横断鉄道旅行-第7弾(ミュンヘン→ミラノ)(34)

ドゥオーモ(ミラノ)
10日目

街は芸術
 朝ホテルを出て地下鉄M1に乗り、カイローリ駅で下車。外に出ると、目の前には大きな城が聳えている。スフォルツァ城だ。その名の通り、ミラノ公国の主であったスフォルツァ家が建てた城である。ぱっと見たところでは小さく美しい城なのだが、近づいてみると城壁が思った以上に高いのに驚く。乱世をしたたかに生き抜いたミラノ公の表と裏の顔を表しているかのようだ。
 城内はいくつかの市立博物館になっている。中でも中世の彫像コレクションの作品は、写実的で細かい細工がなされていてレベルが高い。絵画館にも行きたかったのだが、こちらは休館していた。

 城を出て、南東に伸びているダンテ通りを歩く。賑やかな通りの両側には、優雅だが重厚な造りの建物群がずらりと並んでいる。
 通りから左にそれて、ガッレリアに入る。一種のアーケード商店街なのだが、日本のそれとは全く異なる。天井がガラス張りなのはもちろん、両側の建物は皆重厚で、天井下には巨大壁画が描かれている。すごいのは上だけではない。下を向けば、路上には美しいモザイク画が描かれているのだ。

 ガッレリアを北に抜けると、スカラ座が現れる。ウィーンやドレスデンの歌劇場に比べて外見は地味だが、ここが世界的なオペラの殿堂であることは言うまでもない。昼間は博物館になっているので内部を見学する。

 もう一度ガッレリアに入って、今度は南に抜ける。抜けたところで、別の巨大なアーケードと直交する。このアーケードを横切ると広場となり、広場の前に聳えるのがミラノの大聖堂、ドゥオーモである。この真っ白な建物からは無数の尖塔が伸びている。中に入ると、高い壁、巨大な柱が聳え、ゴシックの荘厳さそのものである。ずらりと並んだ絵画や彫刻も見事だ。たまたまミサの時間だったため、高僧の説教と聖歌隊の歌が順番に繰り広げられる。祭壇の前には香の煙が立ち込め、辺りにはパイプオルガンの音色が響き、壁や床が振動する。

 ドゥオーモ前の広場から地下鉄M3に乗り、モンテナポリオーネ駅で下車。駅の近くで昼食をとっていたら雨が降り出す。すると、待っていたかのように傘売りが一斉に姿を現す。
 雨が小降りのうちに、歩いてブレラ絵画館に行く。イエスとマリアと中心とした宗教画が中心。思ったよりもコレクションの数が多く、見ごたえがある。壁一面に広がる巨大絵画がいくつもあり、迫力満点だ。

 ホテルに戻ると、大通りで車のクラクションがずっと鳴り続けているのが聞こえてくる・・・。フロント氏に理由を聞いてみると、地元のサッカーチームが勝ったからだとか。それなら、もし負けたらどうなるのだろうと想像するだけで、ちょっと恐ろしくなった。

 夕食は、ホテルからミラノ駅に向かった途中にあるレストランにした。ブランドワインは軒並み高いが、安めのハウスワインが意外においしい。パスタはペペロンチーノ、何も言わなくてもアルデンテになっていて(注意:多くのレストランでは「アルデンテ」とはっきり言わない限りはアルデンテにならない)、唐辛子がしっかり効いている。メインは牛フィレステーキ、ソースがとてもおいしい。しめは、リキュール入りのカフェ・コレット。旅の最後の夜は、ちょっと豪華なイタリアンで終わった。

 翌朝5時過ぎ、ついにミラノを発つ時が来た。地下鉄がない時間帯なのでミラノ駅まで歩く。雨は降っているが小雨なので傘は不要だ。駅東側のバス乗り場にはもう多くのバスが並んでいるが、多くはマルペンサ空港行きだ。リナーテ空港行きのミニバスは、しばらくしてようやくやって来た。
 6時過ぎ、バスが出発する。バスは、まだ眠っているこの町を南に抜けると、東にある空港を目指してスピードを上げた。

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