ヨーロッパ横断鉄道旅行-第7弾(ミュンヘン→ミラノ)(33)

ミラノ行き列車(ティラノ駅)
ティラノ→ミラノ

 レーティッシュ鉄道の駅を出ると、駅前は意外と賑わっている。イタリアの鉄道駅は、すぐ右手にある。双方の鉄道は線路こそ交わらないものの、駅舎は東西方向に並行している。
 まずは切符を買おうとイタリア鉄道駅の窓口まで行くと、何と休み・・・。幸いツーリスト・インフォメーションが開いていたので聞いてみる。切符は駅舎内のカフェでも購入可能とのこと。早速カフェに行ってみると、本当に切符を買えた。この知識は、この後イタリア各地を旅行した時に大いに役立つことになった。
 やるべきことが一段落したので、駅前のレストランでピザを食べる。イタリアピザは生地が薄いので、一人でも無理なく一枚食べられる。日本の基準ではそれほどでもないが、スイスに比べると、値段は格段に安い。やはりスイス方面から来る人が多いのであろう、レストランの中ではドイツ語が頻繁に飛び交っている。

 13時頃、ミラノ行きの快速列車が入線する。車内には、左右2列ずつの青いシートがずらりと並ぶ。これも今後イタリア各地で乗ることになる2等車の標準的な仕様だ。列車を運行しているのは、イタリア最大の鉄道会社であるトレニタリアではなく、そのグループ会社のTrenordであるが、車両はトレニタリアのものを使っているようだ。
 13時11分、列車が出発する。レーティッシュ鉄道の駅が右手に見えるが、やがてそれと分かれて左手に進む。線路は単線だ。

 列車はアッダ川に沿ったヴァルテッリーナ渓谷を南西に進む。13時20分、トレセンダ・アプリカ・テグリオに停車。谷の北側の丘陵には、「BETINI」、「NINO NEGRI」などの文字看板が立っている。ヴァルテッリーナ渓谷はワインの産地として知られており、これらの丘陵はみなブドウ畑で、看板は生産者名なのであろう。
 少し大きな町に入る。13時38分、ソンドリオに停車。乗客が増えてきた。列車はかなりのスピードを出して、渓谷を西へと駆けて行く。北側にはアルプスの美しい山並みが広がるが、上の方が次第に霞み、雨が降り出す。それもじきに止み、山々は後退して空も晴れてくる。13時54分、アルデンノ・マシーノに停車。対向列車を待って、13時57分に出発。
 列車はトンネルを抜けると、アッダ川を渡る。14時5分、モルベーニョに停車。ここで、やや遅れている対向列車を待って、14時10分に発車。山々はさらに後退し、その麓には大きな町が広がる。そして、キアヴェンナ方面からの線路が右から合流して、14時21分、コーリコに停車。ここでは5分遅れとなる。コーリコは、ちょうどアッダ川が湖に合流する辺りにある。

 オレンジ色の屋根の群れの向こうに、大きな湖が見えてきた。コモ湖だ。ここからは、湖の東岸を南下する。とても美しい眺めだが、列車は容赦なくスピードを上げ、が見えたかと思うと、トンネル、またトンネルと通過してゆく。14時35分ベッラーノ、14時40分ヴァレンナに停車する。湖岸には、町ができるようなスペースが次第になくなり、とうとう岩山が湖に迫るようになる。そして15時1分、列車は湖の南端にある大きな町・レッコに停車する。

 レッコからはコモ方面に向かう線路と分岐して、水路に沿って南東に進み、小さなガルラーテ湖を過ぎると、ベルガモ方面に向かう線路と分岐して、今度は南西に進む。ここで、ようやく検札が行われる。コモ湖・ガルラーテ湖から注ぎ出して再び川に戻ったアッダ川を渡る。もはや水の景色はなく、列車はスピードを上げてロンバルディアの平原をひた走る。丘陵であろうか、長いトンネルをいくつも抜ける。
 15時25分、モンツァ・ソッボルギに停車。次いで15時32分、隣の駅モンツァに停車。スイス・バーゼル方面からコモを経由してきた線路が、ここで右から合流する。市街地が途切れることなく広がる。もうミラノに入ったのであろう。列車は直線の線路を南西に進む。セスト・サン・ジョバンニを通過、ここはミラノ地下鉄1号線の起点である。ミラノ・グレーコ・ピレッリを通過すると左にカーブ。すると、巨大な構内線の中に突入する。15時46分、列車はついにミラノ中央駅に到着する

 イタリアを代表する都市の中心駅は、やはり巨大な屋根に覆われた頭端式のホームで構成されていた。そればかりではない。駅舎も巨大な白亜の柱と屋根で構成されていて、これ自体が芸術品になっている。私は、目がくらみそうになりながら、オートスロープ(段差のないエスカレーター)に乗って地下へと下りていった。

続く
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