ヨーロッパ横断鉄道旅行-第7弾(ミュンヘン→ミラノ)(25)

サメーダン→ツェレリーナ(イン川)
プレダ→サン・モリッツ

 プレダを発車すると、すぐにトンネルに入る。とても長い。このトンネルは、アルブラ峠を貫く全長約6kmのアルブラトンネルである。アルブラ峠はアルプス山中の峠の一つに過ぎないのだが、「北海と黒海の分水嶺」と呼ばれることもある。それは、西側へはライン水系のアルブラ川が注ぎ出し、東側へはイン水系のベヴェリン川が注ぎ出すからだ。ライン川はドイツ・オランダを経て北海に注ぐ。一方、イン川はドナウ川に合流し、多くの国々を経て黒海に注ぐ。こう考えると、急に気分が壮大になってしまうから不思議なものである。

 列車は約6分でアルブラトンネルを抜けてシュピナスを通過し、ベヴェリン川に沿って山を下る。ここからはエンガディン地方となる。エンガディンとはロマンシュ語で「イン川の庭」という意味だそうで、その名の通りエンガディン地方は、イン川沿いの大きな渓谷になっている。

 しばらくして景色が平坦になってきた。が見えたと思うと、左から線路が合流する。そしてベーヴァーを通過。左からやって来た路線は、エンガディン地方の中でもイン川のより下流にある(それゆえウンター・エンガディンと呼ばれる)シュクオール方面からのものだ。
 14時42分、サメーダンに停車。5分停車して、14時47分に発車。車両基地を抜けるとすぐに線路は分岐し、列車は右に進んでイン川に沿って走る。左を進む路線については、また後に述べることになるだろう。谷間を囲む真っ白な山々が旅人の心を癒す。
 14時50分、ツェレリーナに停車。列車は小さな山越えをして右に左にカーブすると、トンネルに入って徐行する。トンネルを抜けると左から線路が合流。そして大きな湖のほとりの駅に滑り込む。14時55分、ついに終点のサン・モリッツに到着する

続く
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