ヨーロッパ横断鉄道旅行-第7弾(ミュンヘン→ミラノ)(10)

シュヴァルツァハ・ザンクト・ヴァイト→レント(3)
ビショフスホーフェン→ツェル・アム・ゼー

 列車は谷あいの少し開けた土地を南に進む。8時6分、ザンクト・ヨハン・イム・ポンガウに停車。ここからザルツァハ川の峡谷は西に向きを変え、列車は川を渡る。8時12分、シュヴァルツァハ・ザンクト・ヴァイトに停車。ザルツブルクでは一杯だった乗客が、今ではほとんどいなくなる。
 発車するとすぐに分岐する。左に分かれていった線路はすぐに見えなくなるが、実は山を登ってこの峡谷の上の方に行き、やがて南へと山を越えて、フィラッハやクラーゲンフルトに向かう。一方、ほぼ川に沿って進むこちらの列車の目の前には、ダムトンネルが次々と姿を現す。列車が突然停車する。ザルツァハ川がけっこう増水しているから運休になったのかと一瞬ひやりとするが、しばらくすると動き出す。ここで、線路が単線に切り替わったことに気付く。先ほど停車したのは、信号所のようだ。

 ここ何日間か気になっていた疑問が、ようやく氷解する。ザルツブルクからインスブルックに向かう特急が、いったんドイツに入ってローゼンハイム(正確にはその付近)を経由していることを、私は既に見た。同じオーストリアの2都市を結ぶ特急がなぜ隣国を経由するのか(そうなると使用料をドイツに払っているはずだから)私には疑問だった。今、オーストリア領内だけを通ってこの2都市を結ぶ路線上に私はいるわけだけど、この路線に特急を通すことはおそらく難しい。先ほど左に分岐して南へと峡谷を越えて行った路線には、クラーゲンフルトに向かう特急が通る。しかし、ザルツァハ川の峡谷を突き進むこの路線は、高速列車を通すには険し過ぎるのだ。

 そんなことを考えている間にも、列車は峡谷をゆっくりと進み、8時23分、レントに停車する。列車の目の前には、幾多のカーブやトンネルがなおも立ちはだかる。8時37分、タクセンバッハ・ラウリスに停車。ここからは峡谷が少し開け、緑の草原に覆われた山の斜面には家畜が放牧されているのが見える。そして線路は再び複線になる。8時41分、ブルック・フッシュに停車。

 ブルック・フッシュを出ると、長らく沿っていたザルツァハ川から離れて北に進路を変える。お城のような建物が現れ、列車は大きな盆地に入る。その直後、目の前に大きな湖が姿を現す。ツェル湖である。そして8時48分、湖岸の町、ツェル・アム・ゼーに停車する。

続く
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