ヨーロッパ横断鉄道旅行-第7弾(ミュンヘン→ミラノ)(5)

ヘレンキームゼー城(2)
「狂王」の夢(その3)

 プリーンの駅前から線路の反対側に回ると、「キームゼー・バーン」(キーム湖鉄道)と書かれた小さな駅舎がある。このキーム湖鉄道は、ここプリーン駅からキーム湖の湖岸までわずか1.5kmを結ぶ小さな鉄道である。しかも、列車を牽引するのはSLだ。鉄道マニアなら乗らずにはいられない。しかし、列車の姿はおろか、人の姿も見えない。実は、私がここを訪れたのは4月下旬だったのだが、キーム湖鉄道の営業期間は5月~9月なのである・・・。

 仕方がないから、せめて線路に沿ってキーム湖に向かうことにしよう。単線の線路は湖へと向かう道に沿って住宅地の中を抜けて行く。線路と住宅地や道路は、ガードレールや生垣で仕切られているだけだ。もしも江ノ電にSLが走ったら、これに近い感じになるだろう。ぜひ一度車窓から、この景色を眺めてみたい。

 20分ほど歩くと、急に視界が開け、道も広くなる。そして線路はキーム湖岸の駅に入って行く。ここにはSLの姿はないが、濃い緑色に塗装されたレトロな車両が停まっている。

 駅からは船着場につながっていて、ここから湖上にあるヘレンインゼル島に向かう連絡船に乗る。湖上を進むこと約15分、ヘレンインゼル島が姿を現し、その船着場に到着する。島内にあるヘレンキームゼー城のチケットは、ここで買う。やはりここでも時間指定になっていて、11時50分に買ったチケットの入場時間は12時15分。ゆっくり歩けば20分はかかると言われる島の小道(とてもいい眺めなのだが・・・)を急ぐ。
 森を抜けると突如現れたのは大きな庭園と、その向こうに聳える宮殿。このヘレンキームゼー城こそ、ルートヴィヒ2世の「作品」を巡る旅(いつからそうなったんだ?(笑))の最後を締めくくる場所である。

 12時15分、城内ツアーが始まる。ルートヴィヒ2世の「作品」らしく、豪華絢爛な部屋が次々と現れる。フランスのルイ14世に憧れていた王が、ヴェルサイユ宮殿に対抗して作った「鏡の間」はやはりすごい。私は「本家」を見たことがないので比較のしようがないのだが、ここの「鏡の間」の方が22mほど長いのだとか。そして、あの食卓エレベーターもちゃんとあった。
 ツアーが終わって、城内にあるルートヴィヒ2世博物館を見る。マイセン製の豪華な置物には心を奪われてしまう。

 城を出て、庭園に戻る。噴水には、やはり神話世界の登場「人物」が・・・。ここもやはり王のメルヘンの世界なのだ。もう時間の制約はないので、今度はゆっくりと小道を歩く。一面の緑が心を癒してくれる。
 船着場の近くにある、ヘレンキームゼー城が建てられる前にあった、この島の旧城館にも立ち寄る。

 再び連絡船に乗ってプリーンに戻り、また歩いて駅に向かう。

続く
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