ヨーロッパ横断鉄道旅行-第6弾(ベルリン→ミュンヘン)(12)

ライン川から見たマルクスブルク城
コブレンツ→ブラウバッハ

 ドイチェス・エックに戻って来たところで、ここからどうやって移動しようか思案する。コブレンツ駅まで戻るのも面倒だ。その時、近くの乗船場にマインツ-コブレンツ間の定期船が停泊していることに気がついた。これに乗ってライン川を遡ろう。

 船は14時ちょうどに出港する。この船、座りたければ甲板に椅子を適当に並べるしかないのだが、真夏の太陽が照りつける中では、到底耐えられるものではない。他の乗客達は皆平気な顔をしているのだけれど・・・。
 屋内の座席は、ファーストフード店か高級レストランのいずれかである。昼食を兼ねて、人気のほとんどないファーストフード店に陣取る。

 船はゆっくりと川を遡って行く。鉄道や車とは違って、川沿いの街並みがゆっくり動くのが良い。ライン川に架かる鉄道橋をくぐる。ここはコブレンツの手前でライン右岸線と左岸線が接続するポイントである。
 14時40分、オーバー・ラーンシュタインに着。10分の停泊の後、14時50分に出発。川岸にはのどかな風景が続くが、行き交う船にはフランス国旗がなびいたりしていて、ここが国際的な動脈水路であることを思い起こさずにはいられない。
 やがて、進行方向左手の山上に白亜の城が現れる。コブレンツへ向かう列車の中でも見たマルクスブルク城だ。城が見えてきたところで、船はブラウバッハに着岸する。15時5分。せっかくなので、あのお城に行ってみよう。

 降りてはみたものの、何の案内板もなく、どうやって城まで行けるのか見当がつかない。こういう時は勘に頼るしかなく、何となく町の中心部の方に歩いてみる。するとどうだろう、かつてケーニヒシュタイン要塞でも見たSLを模したトロッコ型バスが道端に停まっているではないか。勘は的中した。このバスに乗って、険しい山道を上り、マルクスブルク城に向かう。城のバス乗り場で次のバスの時刻を告げられる。次のバスが最終である。

 バス乗り場からさらにいくつもの階段を上ると、ようやく真っ白な城の建物が現れる。見上げると、あの高い塔も見える。城の見学は、ガイドツアーで行う。この城もご多分に漏れず、ライン川を行き交う船から金を巻き上げるために建てられたものだ。だから、大砲は常に川に向けられていた。ここはちょうどライン川のS字カーブの出入口にあたるから、ライン川の眺望が素晴らしい。現代に生きる旅人は、何ら下心無くこの美しい景色をただ味わうだけである。
 同じく美しいこの真っ白な建物は、幸いなことに一切の戦火から免れて現代に至っている。

続く
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