ヨーロッパ横断鉄道旅行-第6弾(ベルリン→ミュンヘン)(8)

ゲッティンゲン駅(ICEホーム)(2)
ゲッティンゲン→フランクフルト

 ゲッティンゲンの駅前に出てみる。ここは古くからの大学町で、そのせいか若者の姿が目立つ。そう言われてみると、駅舎の形が大学の講堂のようにも見える。
 駅に戻って、一番奥にあるICE専用ホームに向かう。以前にも書いたように、ICEには特急券が不要だから、日本の新幹線のような専用改札もない。
 ところが案内板を見ると、ICEに大幅な遅れが発生しているようだ。だからと言って、ローカル線でフランクフルトに向かうには、本数の少ない列車の乗換えが何度も必要で、非常に時間がかかる。だから、ICE専用ホームでしばらく待つことにした。

 13時50分、シュトゥットガルト行きのICEが到着。これは本来13時17分着予定なので、約30分の遅れである。この列車に乗ってみよう。
 列車は丘陵を貫くいくつものトンネルを抜け、川を渡る。この辺りは並走するローカル線もなく、人気の少ない山間部を突っ切る感じだ。14時11分、カッセル・ヴィルヘルムスヘーエに停車。

 カッセルはグリム兄弟が長年住んだ町で、現在はメルヘン街道の主要都市になっている。グリム兄弟は、駅名の由来となったヴィルヘルムスヘーエ城に勤めながら、ドイツ各地の童話を収集したのだ。町の中心部に行くには、ここからローカル線に乗り換えて、カッセル中央駅で下車する必要がある。

 だが、私は先に進むことにしよう。列車は14時15分に発車する。ローカル線がフルダ川の渓谷に沿ってクネクネと進むのに対し、ICEは山間部をまっすぐに突っ切る。山の上の方を走るので、丘陵地帯の風景を見渡すことができる。それでも平地に比べればカーブが多いので、車内はよく揺れる。
 長いトンネルを抜けると、大きな市街地が現れる。丘の上には、いくつもの歴史的建造物が建ち並んでいる。14時45分、フルダに停車。フルダは大聖堂や司教宮殿など、バロック建築の建物が多いことで知られている。そして、カッセルから南下してきたメルヘン街道と、フランクフルトから東に向かうゲーテ街道がここで合流する。

 ここでも私は先に進むことにする。列車は14時47分に発車。すぐに、ヴルツブルクやニュルンベルクに向かうICE専用線と分岐して一般路線に合流する。だが、ここで列車は停まってしまう。そう言えば、ICEはダイヤが乱れていたのだ。すぐ隣を赤い機関車に牽引されたIC(特急)が走り去る。5分ほどして、ようやく動き出す。
 先程よりはるかに平坦になった丘陵地帯と、いくつもの町を通過する。そして15時33分、ハーナウに停車。ハーナウはグリム兄弟の出身地であり、メルヘン街道はここが終点となる。
 ハーナウを出発すると、すぐにマイン川を渡り、その南岸を走る。実は、そのままマイン川の北岸を進む路線もあるのだが、ICEなどの主要な列車は南岸を走るようだ。ここからは田園風景は姿を消し、市街地がずっと続く。やがて、ひときわ大きな市街地が現れ、遠くには高層ビルも見える。列車はフランクフルト・スート(南)駅を通過すると、大きく右にカーブして再びマイン川を渡り、また右カーブに入って巨大な構内線に入る。15時48分、フランクフルト中央駅に停車する。私はここで下車する。

 フランクフルト中央駅は、これまで見てきたヨーロッパの主要駅と同じく、巨大なフォーク型のホーム群(24もある)と、それを覆うドームで構成されている。私の乗ってきたICEが、強引なカーブを通り抜けたのも、これから進行方向を変えてシュトゥットガルトに進むのも、この駅の構造に合わせるためなのである。そしてドームの外観は、風格のある装飾で覆われている。私は、ヨーロッパを代表する都市に来てしまったことを実感した。

続く
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