ヨーロッパ横断鉄道旅行-第6弾(ベルリン→ミュンヘン)(6)

皇帝居城(ゴスラー)
4日目

皇帝のいた町(その1)

 朝、ホテルを出て駅から南に歩く。道は次第に細くなり、その両側には木組みの古い家々が建ち並ぶ。しばらく進むと、対になった2本の高い塔が現れる。これがマルクト教会で、その前のマルクト広場では、金色の鷲から勢い良く水が噴出している。何だか由緒ありげな噴水である。
 さらに南に進む。木組みの街並みが続いている。ようやく町の外れに来ると、見るからに古いお堂が建っている。「ドーム入口の間」と呼ばれている。そして、その右手に大きな宮殿が見える。

 今では小さな田舎町にすぎないゴスラーだが、10世紀に付近で銀鉱山が発見されてから発展し、11世紀には当時の皇帝・ハインリッヒ3世がここに宮殿を築く。右手の宮殿は、まさにそれなのだ。そして「ドーム入口の間」は、宮殿と並んで建っていた当時の教会の現存する入口部分にすぎないのである。

 さっそく宮殿の中に入ってみよう。建物自体は19世紀に再建されたもので、真新しい印象すら与える。まだ開館時刻(10時)を過ぎたばかりなので、入場者は他に誰もいない。2階の大広間に入ると、巨大な歴史壁画が何枚も架かっていて圧倒される。大広間を奥まで進み、螺旋階段を下りて行く。そこには見るからに王様の姿をかたどった石棺が安置され、スピーカーからは古代の聖歌が流れている。特に一人でいると、厳粛な気持ちにならずにいられない。ここは、宮殿の建物左手にあるウルリッヒ礼拝堂で、この石棺の主がハインリッヒ3世である。
 来た道を引き返し、今度は地下にある資料室に行く。そこで展示されていた11世紀当時の町の地図を見ると、その領域が現在のそれよりもはるかに広かったことがわかる。約1000年前、ここは大都会のど真ん中だったのだ。

 宮殿を出て、再びゴスラーの街を歩く。どこを進んでも、どこを曲がっても、木組みの建物で満ち溢れていて気持ちがいい。歩きながら北へと向かい、とうとう現代の建物・ゴスラー駅へ戻ってしまった。

続く
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