ヨーロッパ横断鉄道旅行-第5弾(プラハ→ベルリン)(10)

ハンブルク行き特急(ドレスデン駅)
7日目

ドレスデン→ベルリン

 この日は朝からベルリンに移動する予定だったのだが、よく考えてみるとドレスデンでまだ見ておきたいところがあった。それがツヴィンガー宮殿である。
 ドレスデン城のすぐ隣にある宮殿は、四方をバロックまたはルネサンス様式の建物で囲み、その中央に広大な中庭を配している。まずは宮殿の東北部分にあるアルテ・マイスター絵画館に入ってみよう。

 ドレスデン城の宝物が侮れないのと同様に、ザクセン王家のコレクションが中心のこの絵画館の展示品もまた素晴らしい。フランドルやイタリアの絵画が中心だが、とりわけラファエロ作『システィーナのマドンナ』などイタリア人の巨匠による巨大な絵画群は圧巻である。

 次は、宮殿の南西部分にある陶磁器コレクションに行く。これもザクセン王家のコレクションだが、地元のマイセンはもちろんのこと、中国や日本の陶磁器も数多く収蔵されている。ただ、日本人としてはせっかくドイツまで来たのだからどうしてもマイセンの方に目が行ってしまう。

 宮殿の北側には、噴水を神殿風の壁で囲った庭園があり、ここに集った人々と共に私もしばし癒される。

 とりあえずドレスデンで思い残すことはなくなったので、ようやく駅に向かう。ところが、14時45分に到着するはずだったハンブルク行きのEC174(ブダペスト始発)がなかなかやって来ない。ドイツでは駅の放送が極めて少ないし、わずかにあった放送も聞き取れなかったので、結局列車が遅延していることくらいしかわからず時が経つ・・・。
 50分ほど過ぎた15時36分、ようやくEC174が到着する。列車を牽引していたのはチェコ鉄道の機関車である。機関車はここでドイツ鉄道のものに交代し、15時50分に発車する。1等車は先頭から2両あるが、いずれも6人コンパートメントだ。遅れたせいか、もともと人気路線だからか、他地域ではほぼガラガラだったコンパートメントもいっぱいだ。

 列車は次の駅、フライベルガー・シュトラッセを通過すると、左に分岐してフリードリッヒ・シュトラッセの車両基地周辺で停車する。ここを右に分岐すればミッテを経由してエルベ川を渡り、ノイシュタットに向かうのだが、この列車はエルベ川を渡ることなくその南岸を行く。ダイヤ乱れのせいか、あまりスピードが出ない。
 シュタウゼー・ニーダーヴァルタという貯水池のようなところを過ぎて、ようやくエルベ川を渡る。すぐに大きな立体交差(後述の線路と交差)の手前で左に折れ、先日通ったマイセンへと向かう路線(エルベ北岸のノイシュタット、ラーデボイル経由)に合流。コスヴィッヒを通過すると、右に折れてマイセン方面の線路と分かれて北上する。この辺りからようやくスピードが出る。

 絵に描いたような昔ながらの町が点在するかと思えば、突如として近代的な都市が現れ、今度は黄色い花に覆われた丘陵になる。次々に移り変わる景色を楽しむ。その間、列車はエルベ川沿いの都市ニュンリッツを通過し、レーダラウで幾重にも合流・分岐してさらに北上し、大きな立体交差の駅・ファルケンベルクをまっすぐ通過する。
 ユーターポークを通過すると、大きな森に入る。森のすぐ外には広い畑が広がり、時折黄色い花畑も見られる。この辺りでいったん徐行するも、しばらくしてフルスピードになり、田園地帯を突き抜ける。
 ベルリン環状線の通るルートヴィヒスフェルデの辺りから次第に住宅地が広がり、グロースベーレンの大きな鉄道ジャンクションを通過すると、もうベルリンのSバーン区間となる。列車のスピードが落ちる。雨が降ってきた・・・。
 列車はS25、さらにS2の区間を通り、17時46分、ベルリン・ジュートクロイツに停車する。何と、ここがドレスデンを出発してから初めての停車駅である。「南の交差点」という駅名の通り、ここはベルリンを南北に貫くSバーンとベルリンの環状Sバーンが交差する駅なのだ。
 ジュートクロイツを出てしばらくすると地下に入り、ポツダマー・プラッツを通過するとS2から分かれて特急専用路線に入り、17時54分、ついにベルリン中央駅の地下ホームに停車する。本来ならここで10分ほど停車するはずなのだが、遅れているせいかすぐに慌しく去って行った

 ベルリン中央駅は最近できたばかりの巨大な駅だ。ドレスデンなど南からやって来た列車は地下ホーム、ハノーファーなど西からやって来た列車は高架ホームに停車する。駅舎は屋根や壁がガラス製になっているので昼間はとても明るく、また中央部分は吹き抜けになっていて、非常に迫力がある。
 ベルリンの中心部を東西に貫くSバーンは高架ホームを発着している。このSバーンに乗って西に向かい、シャルロッテンブルクで下車。幸い雨も止んだようだ。ここからヴィルマースドルファー・シュトラッセ駅に行き、地下鉄U7で一駅のアデナウアー・プラッツで下車。かつての西ベルリンの中心部・クーダムにあるホテルに向かう。

続く
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