ヨーロッパ横断鉄道旅行-第5弾(プラハ→ベルリン)(5)

ラベ川(1)
4日目

プラハ→ジェチーン

 とうとうプラハを、そしてチェコを後にする日が来た。平日だからかトラムや地下鉄の乗り継ぎが良く、予定より早めにプラハ駅に到着する。
 しかし、肝心のドイツ・ハンブルク行き特急EC176の到着が遅れており、そのせいで到着ホームもなかなか決まらない。列車の到着間際になってようやくホームが決定すると、待ちかねていた人々が一斉にホームに向かう。8時24分過ぎ、予定より6分ほど遅れてEC176が入線する。この列車はチェコ・モラヴィア地方の中心都市ブルノが始発で、コリーンなどを経由して、プラハ駅には北側から入線する。
 プラハ到着後、方向転換のため(今度は北側に向かうので)機関車を付け替える。1等車は付け替えられた機関車のすぐ後ろ、先頭車両で、コンパートメントではなく、通常の座席(もちろんゆったりしているが)である。

 8時31分、予定より2分遅れで列車が発車する。線路は少し高台にあり、プラハの美しい街並みが見下ろせる。線路はまっすぐ北に続いておらず、いったん東に折れ、トンネルに入る。いくつもの分岐や立体交差を通過して進路を西に変えるとヴルタヴァ川を渡り、8時39分にプラハ・ホレショヴィツェに停車する。ここから先はヴルタヴァ川に沿って、右へ左へとカーブしながら進む。辺りは木々に覆われた低い丘陵で、別荘らしき家も数多く建ち並ぶ。

 クラルピという大きな町を過ぎると、ようやく辺りが開けてくる。しばらくするとヴルタヴァ川の姿が見えなくなり、辺り一面平原となる。黄色い花も随所で咲き乱れている。フニェヴィツェを通過すると再び大きな川と引き込み水路が現れるが、この川はもはやヴルタヴァ川ではなく、ヴルタヴァ川と合流したラベ川である。

 目の前に山が迫ってきた。だが、列車は山の手前を左に大きく迂回する。しばらくは平原が続くが、北に大きく立ちはだかる山地は避けられない。ロヴォシツェを通過すると、山々の間を縫うラベ川の峡谷に入り、右へ左へとカーブしながら進む。この列車は幹線である峡谷の左岸を走るが、右岸にも峡谷沿いに走る線路があり、こちらはローカル線のようだ。この辺りには川に架かる橋が見られないので、右岸の町に行くには、この右岸線を利用するしかないのだ。

 やがて、右岸の岩山の上に、城砦らしき建物が現れた(地図上にも説明がないので、由緒あるものではないかもしれないが・・・)。そして川沿いの大きな町に入り、列車はスピードを落とす。ここに来てようやく右岸から川を渡る線路が現れる。9時42分、ウースティー・ナド・ラベム中央駅に停車する。

 ウースティー・ナド・ラベムは、南から流れてきたラベ川が大きく向きを変えて東へ向かう地点にあたる。この町の周辺の鉄道網はなかなか複雑だ。
 まず、この列車が走っているラベ川の左岸線がある。次に、今列車が停車している中央駅から南西に向かい、ドイツ国境の町・ヘブに至る路線がある。プラハからこの町を経由してヘブに向かう列車は、中央駅で方向転換する必要がある。
 そして、ラベ川の右岸線がある。中央駅の対岸にはウースティー・ナド・ラベム・ストジェコフという駅があるが、ここが右岸線のターミナルになっているようだ。ストジェコフ駅から川を渡って左岸に連絡する線路は、中央駅には直接つながっておらず、中央駅からヘブ方面に1駅進んだウースティー・ナド・ラベム・ザーパトという駅に接続している。
 それでは実際の列車運行がどうなっているのか非常に気になるところではあるが、今のところ十分な資料がないので、残念だがとりあえず先に進むことにしよう。

 ウースティー・ナド・ラベム中央駅を発車した列車は、川に沿って東へと向きを変える。川は大きくは東に向かっているものの細かく蛇行しており、両岸をよく見渡すことができる。右岸線も、まだ伸びている。ポヴロリ・ロズトキを通過すると、川は再び北に大きく向きを変える。
 やがて大きな町が現れ、列車は広い構内線に入る。9時57分、ジェチーン中央駅に停車する。右岸線もここで川を渡り、ようやく左岸線に合流するのだが、ジェチーン中央駅の北側から合流する。つまり、もしもこの列車と並行に右岸を進んだ列車があったとすれば、この列車とは反対方向に入線することになる。

続く
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