ヨーロッパ横断鉄道旅行-第3弾(ブダペスト→ウィーン)(5)

ベルリン行き特急(ブダペスト)(2)
4日目

ブダペスト→ショブ

 いよいよブダペストを去る日が来た。前回の旅の終着駅・ブダペスト東駅に行く。高い屋根に覆われて奥へと伸びて行く巨大なホームにある案内板を見ると、これから乗る予定のベルリン行き特急が既に入線しているようだ。
 その特急列車の先頭まで行ってみると、機関車はまだ連結されていない。しばらく待つ。やがて上半分が真っ赤な電気機関車がゆっくりと入線してきた。そして青い客車に連結する
 連結を見届けた後、列車に乗り込む。私が乗るのは最後尾の1等車であるから、重い荷物を持ってまた数百メートル戻らねばならない・・・。
 いつもの通り1等車は6人乗りのコンパートメントだ。やはりここでも指定席はないが、2等車に比べて大差のない1等車に乗るような酔狂な人は少ないから(だから1両しかない)余裕で座ることができる。

 9時25分、列車が発車する。広い構内に居並ぶ機関車群の間をゆっくりとすり抜けて行く。車内放送が流れてきたが、全てドイツ語だ・・・。列車は、ブダペスト市街に複雑に張り巡らされた鉄道網を、徐行しながら右へ左へと進み、やがて北へと向かう。ちなみに、ブダペストからウィーンへ向かうルートとしては、この路線はマイナーである。実際、この列車もウィーンを経由しない。ウィーンへ向かうメジャーな路線は、ブダペスト市街を南に向かい、ドナウ川を渡って西に伸びている。ただし、1883年にパリを出発したオリエント急行の開通列車は、この北回りのルートを通ったそうだ。
 そんなことを考えているうちに、9時48分、ブダペスト市街北部のラーコスパロタ・ウーイペストに停車する。ここを過ぎると、列車はようやくスピードを上げる。沿線には、素敵なデザインのマンションが見える。そう言えば、前日ドナウペンドに向かったバスからも、同じようなデザインのマンションを見た気がする。
 10時5分、ヴァーツに停車する。ここもドナウ川の沿岸都市として古くから栄えた町であり、できれば寄ってみたかった場所だ。ちなみに、今まで走ってきたブダペストからヴァーツまでの路線は、1846年開業というかなり古いものである。

 ヴァーツを過ぎると辺りは森林になるが、その合間からドナウ川の姿も見えるようになる。私が北回りを選んだ理由の一つは、これが見たかったからだ。ドナウ川の流れに沿って線路も西へ、そして南へと大きくカーブする。ドナウ川の対岸の山頂に、ヴィシェグラードの要塞が見える。10時21分、ヴィシェグラードの対岸にあるナジーマロシュ・ヴィシェグラードに停車する。
 ドナウの蛇行は続き、北へ、そして西へと向きを変える。緑の山々の間を悠々と流れる大河の眺めは素晴らしい。やがて前方には小さくて風情のある町が姿を現す。スロヴァキアとの国境の町・ショブである。10時31分。

続く
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