東九州縦断鉄道旅行(3)

黒崎駅
直方→黒崎→小倉(筑豊本線・鹿児島本線)

 かつて筑豊の各炭鉱から運ばれてきた石炭は、直方駅に集められ、集積された石炭は若松へと運ばれていた。「石炭貨車を集積する直方駅の操車場も全長が三キロを超えるという化け物ぶりをみせつけた。貨車の入れ換えに幾台もの蒸気機関車が構内を右往左往し、そのはき出される煤煙から、直方のスズメはカラスのように色が真っ黒だったという。」(所澤秀樹『鉄道地図は謎だらけ』)現在の直方駅を見渡すと、かつての巨大な構内の痕跡を容易に見出すことができる。だが、盛時の賑わい(想像するしかないが)はそこになく、ホームには人影がまばらで、駅は静寂に包まれている。
 ゆっくりと昔を偲んでいる暇はない。既に反対側のホームには黒崎行きの普通列車が停車しており、すぐに発車しようとしているからである。列車は817系の3両編成だ。車内の座席は、木製の土台にクッションがついているもので、他の地方の鉄道車両ではなかなかお目にかかれないものだ。

 10時59分、黒崎行きの普通列車が発車する。列車は遠賀川の西岸を北に進み、筑前垣生を過ぎるとまた川を渡る。中間や東水巻など、駅の構内が不必要に広いのは、かつて線路が複々線や三複線になっていた頃の名残であろうか?そして、線路は折尾の手前で二手に分かれる。まっすぐ北に向かえば、鹿児島本線を横切って洞海湾の北岸を進み、かつての石炭の積出港・若松へと至る。これが本来の筑豊本線である。一方、ここで東にカーブすると鹿児島本線に合流する。列車は東にカーブし、その途中にある折尾駅の筑豊本線ホームに停車する。11時19分。

 列車は折尾を発車するとカーブを抜けて鹿児島本線に合流する。いや、正確には並走している。この2つの線路は、まだ交わっていない。そしてようやく両者が交わると、列車は終点の黒崎に到着する。11時25分。

 すぐに陸橋を渡り、小倉方面行きの列車を待つ。11時28分、小倉行きの普通列車がやって来る。813系の3両編成だ。外観は赤とシルバーを基調にしており、見た目に印象深い車両だ。列車は北九州の工業地帯を横目に見ながら東へと進む。小倉の一つ隣の駅・西小倉からは日豊本線と並走する。そして、11時48分、小倉に到着する。

続く
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