東四国鉄道旅行(17)

かずら橋(2)
祖谷

 阿波池田駅から少し歩いた所にバスターミナルがある。8時15分、このバスターミナルから久保行きのバスに乗って出発する。バスは吉野川沿いの国道32号線を走り、川を遡って行く。三縄を過ぎると、川の対岸にあった土讃線の線路が、川を渡ってこちらにやって来る。川幅は次第に狭くなり、川岸には大きな岩が並ぶようになる。小歩危を過ぎた所で、土讃線の線路は再び川の対岸に移る。
 バスは大歩危駅に立ち寄ると、吉野川と土讃線から離れ、山道に入って行く。大きなヘアピンカーブを通り、坂道をぐんぐん登りつめる。さっきまで走っていた道が、はるか下方に見える。祖谷トンネルを抜けると、いよいよ西祖谷だ。だが、この立派な道路沿いには大きなホテルが建ち並び、もはや「秘境」というムードはない。バスは祖谷川沿いにしばらく走り、かずら橋に到着する。9時25分。

 祖谷川に架かるかずら橋には、既に多くの人が詰め掛けていた。かずら橋は、その名の通りかずらで作られた吊橋だ。橋の両側には無数のかずらが結びつけられているが、今では目立たないようにワイヤーも使われている。橋板には細い木材が使われていて、板同士の間隔も広い。目を凝らさなくとも、真下の川がよく見える。ドキドキしながら橋を渡る・・・。だが、橋のど真ん中から眺める祖谷川の渓流は格別である。

 かずら橋から歩いて西の方に戻ってみる。今では立派な道路が開通しているが、高い山々と深い谷が織り成す昔ながらの風景はまだ残っている。
 道路沿いにあるホテルに入る。このホテルには温泉の露天風呂があるのだが、浴場は山の上にあるため、何とケーブルカーを使うのである。ホテルの建物内にある乗り場から、和風?のケーブルカーに乗る。ケーブルカーは山道をぐんぐん登り、あっという間に浴場に到着する。露天風呂からは、期待通り西祖谷の山々を眺めることができる。

 11時53分、ホテル前のバス停から池田行きのバスに乗る。このバスは大歩危は経由せず、祖谷川に沿って進む。祖谷渓と呼ばれるこの渓谷は、非常に険しい道である。普通車が何とか行き違える程度の細い道に、見通しの悪いカーブが連続する。この日は交通量も多く、バスは何度もバックしたり、対向車をバックさせる。窓の外には高い山々と、それをえぐるように流れる祖谷川の景色が広がる。ガードレールを一歩超えれば、そこには深い谷が待ち構えている・・・。見ているだけで手に汗握ってしまうが、それは素晴らしい眺めでもある。
 祖谷温泉を過ぎてしばらく進んだ所に、何と小便小僧が立っている。彼は200メートル以上も下の谷底に向けて小便を放っているのだとか。
 このような山道をさらに20分ほど進んで、谷はようやく浅くなる祖谷口で祖谷川は吉野川に合流し、バスも国道32号線に合流する。
 池田のバスターミナルには、13時5分に到着する。前日に阿波踊りを見た商店街で祖谷そばを食べる。そばが短く切られているのが特徴だ。

続く
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