シルクロード鉄道旅行-第8弾(ブハラ→テヘラン)(2)

ブハラ→ファラブ(1)
ブハラ→ファラブ(閉ざされた鉄路 その1)

 成田を出発して15時間余り、前回の旅の終着点であり、今回の旅の出発点であるブハラにたどり着くことができた。空港にはドライバーのDさんが迎えに来ていた。長旅の疲れを癒す間も無く、すぐに出発する。

 車は空港から北西に向かい、やがてブハラの中心部に入る。Dさんが少し回り道をしてくれたらしい。威容を誇るアルク城と、美しいバラハウズ・モスクの前を通り抜けて行く。前回の旅が懐かしく思い出される。そして、かつてトルクメンの人々が出入りしたタリバチ門の前を通って、車は広い幹線道路に入り、一路南西へと向かう。
 ブハラの市街地を抜けると、辺り一面に桑や綿花の畑が広がり、羊など家畜の姿もちらほら見える。道路沿いに点在する集落の中では、大人も子供も総出で水路の清掃作業をしている。そして、よくメンテナンスされた立派な線路が、平原の中にその姿を現す。こののどかな景色を、列車の中から眺めることができれば・・・

 ウズベキスタンからトルクメニスタンに入る主な鉄道ルートは2つある。1つは、今私が見ている鉄路、すなわちブハラからまっすぐ南西へと向かうルートだ。もう一つは、トルクメニスタンのダシュホウズからアムダリヤに沿って南東に進んで一旦ウズベキスタンに入り、ウルゲンチを経由して、再びトルクメニスタンに入るルートだ(中央アジアの鉄道は主に旧ソ連時代に敷設されたため、ソ連の崩壊により各国に複雑に分断されてしまったのだ)。しかし、鉄道ルート自体が存在することと、そこに旅客列車が運行されているということは異なる。ブハラ経由のルート上で旅客列車が存在しないことは以前から知られていたが、ウルゲンチ経由の旅客列車は、少なくとも数年前までは存在していた。だが、ダシュホウズからカラクーム砂漠をまっすぐ南下してトルクメニスタンの首都・アシュガバッドに至る鉄路が開通したため、ウルゲンチ経由の旅客列車は廃止されたらしい。今では、これらの鉄路は貨物専用になってしまったのだ(2009年5月現在)。
 Dさんは、旧ソ連時代にブハラからトルクメニスタンを通ってアゼルバイジャンまで鉄道で行ったことがあるそうだ(もちろん、カスピ海は船で渡っただろう)。かつて開かれていた鉄路は、ソ連の崩壊により逆に閉ざされてしまうという皮肉な事態になってしまったのだ(もっとも、旧ソ連時代に外国人が気軽に列車に乗れたとは考えにくいけれど)。

 片側2車線は十分にあった道路は、やがて片側1車線でメンテナンスも悪い道路となる。小さな陸橋を渡る。真下にはトルクメニスタンに向かう単線の線路がまっすぐ伸びている。道路はますます悪くなり、田舎道となる。辺りも人気のない荒野へと変わる。しばらくして、目の前に検問所が現れた。いよいよトルクメニスタンとの国境・ファラブに着いたらしい。ブハラから100kmほどの道のりを約1時間30分かけてここまで来たのだ。車は検問所のゲートの前で停車し、Dさんは兵士と話し始めた。何か嫌な予感がする。兵士と話し終えたDさんは、車をバックさせる・・・。そして近くの駐車場に車を停めた。Dさんは車を降り、携帯電話で話し始める。何か交渉しているようだ。ますます嫌な予感がする。

続く
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<参考>ダシュホウズ~ウルゲンチ

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