高山本線の旅(12)

富山行き普通列車(猪谷駅)
猪谷→富山(高山本線)

 猪谷駅は、かつて高山本線と神岡鉄道の分岐点であった。宮川沿いに進む高山本線に対し、神岡鉄道は神通川を遡って鉱山の町・神岡へと続いていた。その名残のせいか、駅の構内は広く、線路が幾重にも並んでいる。しかし、今は乗降客の数はまばらで、そのために静けさがいっそう際立ってしまう。
 しばらくして、富山行きの特急「ひだ」がやって来た。そして、わずかな乗客を降ろして立ち去って行った。ホームは再び静寂に包まれる。
 ホームの端には、富山行きの普通列車がぽつんと停まっている。キハ120系1両のワンマンカーだ。高山本線は、岐阜-猪谷間がJR東海の管轄で、猪谷-富山間はJR西日本の管轄だ。そのためか、この列車は、今まで乗ってきたJR東海の車両とはかなり雰囲気が異なる。

 12時8分、富山行きの普通列車が出発する。列車は神通川の渓谷を走る。所々に見える赤い橋が、周囲の緑に映えて美しい。神通川第一ダムを望みながら、庵谷トンネルを抜けて川を下って行く。楡原を過ぎ、神通川第二ダムの側を通って新笹津橋を渡ると笹津に停車する。ここで渓谷は終わり、富山平野に入って行く。
 神通川井田川を渡ると、「おわら風の盆」で有名な越中八尾に停車する。この辺りから車窓には市街地が現れ、車内も混雑してくる。千里速星富山平野を北上し、井田川を何度も渡る。そして、西富山を過ぎると北陸本線に合流して再び神通川を渡り、12時59分に富山に到着する。3日間の高山本線の旅は、ここで終わりを告げた。

 富山駅から南にしばらく歩いたところに、富山城址公園がある。城内の天守閣は最近建てられたもので、中は博物館になっている。お堀なども良く整備されている。公園内は人出も少なく静かだ。家路につく時間が来るわずかな間、ここで旅の疲れを癒すことにする。

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