シルクロード鉄道旅行-第7弾(タシケント→ブハラ・ウルゲンチ)(11)

イスラーム・フッジャ・メドレセのミナレットから
7日目

ヒヴァ(2)

 この日は1日イチャン・カラを観光した。それを時系列で追って行くと非常に複雑になるので、西門から東門へと向かうメイン・ストリートに沿って見どころを紹介することにしよう。

 まず、西門から出発する。この門はイチャン・カラのメインとなる門であり、門前の広い道路には観光バスやタクシーが何台も停まっている。門の横にはアル・ホレズミの像がある。この人はヒヴァ出身の数学者で、「アルゴリズム」の語源となったと言われている。IT業界の関係者は、ここを黙って通り過ぎることはできないだろう(笑)。西門を入るとイチャン・カラの大きな案内板がある。通りの先には、大きくて色彩鮮やかだが、途中でちょん切れたようなカルタ・ミナルの姿が見える。

 通りの左側には、19世紀にタシュ・ハウリ宮殿ができる前まではヒヴァの王宮であったクフナ・アルクが広がる。古い城とは言え、中は相当に広く、立派な玉座もある。城壁からの眺めも素晴らしい。
 メイン・ストリートをさらに進んで行くと、ジュマ・モスクがある。13世紀のモンゴル軍の破壊を奇跡的に逃れた建物だ。モスクとしては天井が低く、薄暗い。いくつもの木の列柱が並んでいるのだが、制作年代がそれぞれ異なり、柱に彫られた彫刻のデザインも異なるのが面白い。
 ジュマ・モスクから右に折れた所にイスラーム・フッジャ・メドレセがある。ここのミナレットはヒヴァで最も高く(高さ45m)、屋上からの眺めは素晴らしい。なお、ここに限らず、ミナレットに登るには、暗くて急な階段を登らねばならない。

 今度はメイン・ストリートを左に折れると、非常に高い壁に囲まれた広い建物が現れる。ここがタシュ・ハウリ宮殿だ。びっくりするほど小さな門をくぐってハーレムの中庭に出る。この庭を囲むように、ハーンや王妃の台座とハーレムの女性達の部屋が並んでいる。比較的新しい建物のためか、その鮮やかな装飾はよく保存されている。
 いったんハーレムを出て、もっと立派な門から王宮に入ると、そこにも立派な玉座があった。玉座の前には、ユルタという大きなテントがある。冬場になるとさすがに寒いので、ハーンはユルタの中で過ごしたそうだ。

 メイン・ストリートに戻ってまっすぐ進むと、とうとう東門まで来てしまった。長い通路を通って外に出ると、再び現代の社会に戻る。現代に戻ってみて、初めて自分がおとぎ話の国にいたのだと気付く。あの長い通路は、タイムスリップするためのトンネルに違いない。

 東門の脇には、現代の人々が行き交うバザールがある。ここの風景は、他の町と異なることはない。バザールから再び城壁の方に向かうと、そこにはかつてキャラバン・サライだった建物がある。現在では百貨店になっている。中に入ると、もちろん食料品や衣料など普通のものも売っているが、ケーキ(ガラスケースに入っていない・・・)やインテリアなど、普通のバザールにはない高級品も多い。中には、何とウェディング・ドレスまで売られている・・・。初めて来た旅人には、ここもおとぎ話の国の一部のように思えてしまう。

 夜、もう一度街を歩く。街灯のぼんやりした灯りに照らし出された街は、昼間とは異なる雰囲気に包まれる。それはとても美しいけれど、過去の亡霊が出てきそうな心細い風景だ。だが、人気の無くなった街路には、地元の子供たちが繰り出し、我が物顔に遊んでいる。ここはおとぎ話の国なのか?それとも現代の世界なのか?その謎は今でも解けないままだ。

続く
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