シルクロード鉄道旅行-第7弾(タシケント→ブハラ・ウルゲンチ)(9)

N56列車(ウルゲンチ駅)(1)
6日目

サマルカンド→ウルゲンチ

 23時40分、サマルカンドを出発。列車は闇の中へと吸い込まれてゆく。私の意識も薄らいでゆく。

 強い光が差し込んでくるのに気付いて目を覚ます。いつの間にか部屋のドアが開いていて、廊下の窓から朝日が差し込んでいたのだ。時刻は6時過ぎ。もしも予定通りなら、列車はカッタ・クルグ(1時5分着)・Rzd N3(1時47分着)を通ってナヴォイに2時30分に到着し、ブハラへと向かう線路と分岐して北西に向かい、ティンチリク(2時42分着)・カニメー(3時31分着)・カラカッタ(4時59分着)と過ぎて来たに違いない。
 窓の外には、わずかに草の生えた砂漠がどこまでも続いている。これが広大なキジルクーム砂漠だろう。太陽を遮るものは何もなく、日光が大地全体を覆い尽くす。6時55分、キジルクドゥクに到着する。案の定、予定より25分近く遅れていた。次のウチクドゥクには7時43分に到着する。駅の周辺に民家が建ち並び、近くに小川が流れているだけの小さな町だが、荒涼たる砂漠の中にあっては、ほっとさせられる眺めである。ここで機関車も交代する。乗務員の交代と燃料の補給を同時に行うためだろうか?

 ウチクドゥクを出発すると、列車は西へと進路を変える。1時間ほど経つと、北の方に大きな湖が現れる。その湖も見えなくなると、わずかな草すらも生えない砂だらけの景色に変わる。そんな景色が数時間続き、10時18分にドゥングリクに到着する。ここは駅というより、ほとんど行き違いポイントのような所で、駅の周りには人の臭いのしそうなものは見られない。
 さらに1時間ほど進むと、ようやく周囲に緑が見えてくる。そして、突然大きな川を渡る。これが、中央アジアのもう一つの大河・アムダリヤだった。だが、その広い川幅に比べて、水量は驚くほど少ない。この川がアラル海に注ぐ前に枯れてしまうというのも頷ける話だ。

 アムダリヤを渡ると列車は再び北西へと進路を変え、南東のトルクメニスタンから来た線路に合流する。旧ソ連時代、タシケントからウルゲンチに行くには、ブハラを経由してトルクメニスタンに入り、アムダリヤに沿って北西に向かうルート、すなわち、今南東から合流してきた線路を使うしかなかった。しかしソ連が崩壊して各国が独立すると、国境をまたぐルートは不都合であるため、キジルクーム砂漠を横断する新ルートが建設された。私の乗るN56列車が通って来たのは、まさにその新ルートなのだ。

 アムダリヤによって潤される土地は、やはり緑豊かである。青空の下の緑の絨毯が眩しい。12時5分、ハザラスプに到着する。予定より5分遅れ。遅れはいつの間にか解消されていた。列車は、終点ウルゲンチに向けてラストスパートに入った。沿線には緑豊かな農地が続く。やがて人家の建ち並ぶ大きな町が現れる。12時53分、ウルゲンチに到着する。タシケントを出発してから約19時間を過ごした列車に別れを告げる。

 広いホームに、大勢の乗客が一斉に降り立つ。だが、駅前には広いスペースがあるばかりで、乗客達は自家用車・バス・タクシーなどに乗って次々に雲散霧消してゆく。

続く
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