シルクロード鉄道旅行-第7弾(タシケント→ブハラ・ウルゲンチ)(4)

ブハラ旧市街の路地
ブハラ(1)

 ブハラ駅には、ガイドさんが迎えに来てくれていた。しかも、サービスで車まで手配してくれていた。実は、ブハラ駅はブハラ市内にはなく、ブハラ南郊のカガンという町にある。ブハラ市内に行くには、普通ならバスかタクシーに乗らねばならない。

 車はまっすぐ北に向かい、ブハラ市内に入る。そして、さらに車1台がようやく通れる程度の道の狭い路地に入って行く。ここはブハラの旧市街で、街全体が世界遺産になっているのだ。車はとある民家の前に停まる。民家と思ったのは実はB&Bだった。入口の門を抜けると中庭になっていて、各客室がそこに面している客室の壁は、モスクなどの屋根の形に彫り抜かれた違い棚やレリーフで装飾されていて、棚には種々のブハラの工芸品が飾られている。情趣あふれる部屋だ。

 夕方、ブハラ観光に出発する。ブハラの観光名所は比較的狭い範囲にあるので、歩いて行くことができる。まずは市街北西部にあるサーマーニ公園へ行く。ここには、サーマーニ廟とチャシュマ・アイユブがある。ブハラの歴史は2500年前に遡ると言われているが、現存する最古の建築物がサーマーニ廟だ。これは9~10世紀にブハラを都として栄えたサーマーン朝の王の霊廟で、イスラム教とゾロアスター教の両方の影響を受けているとされる。チャシュマ・アイユブは、もともと霊泉を囲んで12世紀に建てられたものだが、その後16世紀にかけて建て増しされ、そのために各時代の建築様式がチャンポンになっている変わった建物だ。
 チャシュマ・アイユブの脇からバザールに抜ける。ごく最近建てられたようで、真新しい建物の中では、たくさんの野菜や果物が売られている。
 バザールの裏手はブハラの外城壁がわずかに残存している。16世紀以降にこの町を支配したブハラ・ハーンによって建てられたものだが、近年の修復の手が入っている。城壁の一角にある門はタリバチ門と言い、ブハラに出入りするトルクメン人が利用したそうだ。門の目の前を現在も通っている道路は、トルクメニスタンまで続いている。
 サーマーニ公園を東に出て、アブドゥーラ・ハーン・メドレセモダリ・ハーン・メドレセという向かいあう2つの神学校の前を通ってB&Bに戻る。

 夕食は、町の中心部にあるラビハウズという池のほとりのレストランで取る。ウズベキスタン産のビールを片手に、鶏肉のシャシリクを食べる。シャシリクはスパイスが良く効いていて、とてもおいしい。

 帰り道、夕闇の中で路地を歩く。この道で良いはずだと頭では理解できているのに、道に迷いそうな不安がつきまとう。ふと脇道を覗くと、そこは迷宮の入口のような気さえしてくる。昼間は人影の少ない路地も、夕方は子供達の遊び場に変わる。見知らぬ旅人の私にも「ハロー」と声をかけてくる。予定通り、無事にB&Bまでたどり着いた。空はもう真っ暗だ。だが、もっと路地を彷徨ってみたいという不思議な衝動に襲われる。私は名残惜しい気持ちでB&Bの門をくぐった。

続く
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