シルクロード鉄道旅行-第6弾(アルマティ→サマルカンド)(3)

ヌクス行きN321列車(1)
3日目

アルマティ→チュー

 8時過ぎ、ホテルを出発。空は曇っていて、地面も濡れたままだ。前夜に冷え込んだまま気温も上がっていないようで、半袖では肌寒いくらいだ。アバーイ大通りを歩いて西に進み、アブライ・ハン通りで5番のトロリーバスに乗る。バスはゆるやかな坂道をまっすぐ下りながら、アルマティの中心部を北上する。今回は迷うことなく最後まで乗車して、8時30分過ぎにアルマティ2駅に到着。

 4度目に足を踏み入れるアルマティ2駅は、もうすっかり見慣れてしまったが、この駅に来ることは当分ないだろうと思うと、感慨深いものがある。待合室の売店で食料と飲み物を買って、9時頃ホームに向かう。これから乗ることになるヌクス行きのN321列車は、駅舎前のホームではなく、一つ向こうのホームに停車しているようだ。いったん陸橋に登って移動する。
 N321列車は短い8両編成で、私が乗るのは、その最後尾の8号車だ。N321は、これから46時間以上かけてカザフスタン・ウズベキスタン両国を横断し、ウズベキスタン西部の町ヌクスへと向かうのだ。この列車には1等車が連結されていない。私が中央アジアで初めて乗る2等車は、予想通り上下2段の寝台2組で1つの部屋を構成している。テーブルの上には、1等車には常備されているティーセットなどもちろん無い。

 9時33分、予定より3分遅れて列車が発車する。列車はアルマティ市内をゆっくりと北上する。車窓には、空港へ向かう、これも何度も通った幹線道路が見える。やがて線路は左に大きくカーブして、北方のロシア・中国から来た線路と合流し、アルマティ1に到着。9時53分。アルマティのもう一つのターミナルであるアルマティ1でも大勢の人々が乗り込んでくる。そして10時8分、列車は発車する。
 私の乗っていた部屋では、私以外の3つの座席をウズベク人らしい家族連れが占めている。彼らは、私に座席の交換を依頼してきた。それで最初の部屋から離れた部屋へと移動したわけだが、どうやらその部屋の乗客と単純に入れ替わったわけではなく、さらに別の部屋の乗客をも巻き込んだ複雑な交換が行われたようだ。乗客の多くはウズベク人のようだが、お互いに元々の知り合いではないようだ。しかし、こうした交渉が短時間でまとまってしまうのには感心する。
 こうしている間にも曇っていた空は晴れてきて、列車はチェモルガン(10時36分着)、ジンギルディ(11時20分着)を通って次第に草原地帯に入って行く。しかし、草原の風景は前回の旅行とは一変していた。あの時の緑色一色の景色は既に無く、茶色の枯れ草が支配する景色になっている。
 カジベクベク(11時38分着)、サズ(12時10分着)、コパ(12時28分着)、チルバスタウ(13時2分着)、クジルタン(13時14分着)と列車は各駅に停車する。おそらくこの辺りで通過した駅は存在しないだろう。そして13時34分、オタールに到着。ここでは10分以上停車するため、多くの乗客がホームに降りて昼食を買い求めている。ちょうど反対側のホームに、アスタナ始発のアルマティ行き列車が到着する。この列車からも大勢の人々がホームに降り立つ。
 N321列車は13時49分にオタールを出発する。そして、クルジャバシー(13時59分着)、クルダイ(14時15分着)、ベル(14時47分着)、アラ・アイギール(15時15分着)、エスペ(15時48分着)と列車は西へとひた走る。車窓から見えるのは、人の気配の無い茶色の草原と、頻繁に通り過ぎる貨物列車だけだ。
 やがて、草原の北方から線路が現れる。これはカザフスタンの首都アスタナからやって来た線路に違いない。北方からの線路と合流して程無く、ベルリク1に到着。16時34分。ここでもなぜか16分も停車して、16時50分に発車する。ベルリク1を出てしばらくすると、川を渡る。日本ならどこにでもあるような幅10~20メートル程度の川だが、この辺りではかなり大きな川だ。これがチュー川に違いない。そして列車はチューに到着。17時3分。予定よりも5分早い到着だ。

続く
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