シルクロード鉄道旅行-第4弾(ウルムチ→アルマティ)(5)

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ウルムチ→阿拉山口

 23時30分過ぎ、ついに検札が始まる。待合室の人々が一斉に動き出す。荷物をたくさん抱えた行商人達がものすごいスピードで駆けて行く。彼らが先を急いでいるのは、荷物の置き場を確保するためだ。
 ホームに着くと、そこには日本のブルトレを想起させる、青地に白のラインが入った車両が停車している。全ての窓の下半分には白地に何かのマーク(カザフ鉄道のマーク?)が描かれた幕が掛けられている。はじめて見るカザフの車両だ。各車両の入口には車掌さんが立っていて、乗客の切符をチェックしている。これは中国式だが、カザフでも同様なのか、それとも中国にいるからそうしているのかはわからない。
 車内に入り指定されたコンパートメントに行くと、そこにはベッドが2つしかない。どうやら1等車らしい。事前にどのタイプの車両に乗れるか理解できなかったので、何だかクジに当たったような気分になる。今まで乗ってきた中国鉄道の軟臥と異なるのは、上段席が無いこと、窓のカーテンが水色になっていること(白い幕もついている)、シートを持ち上げると荷物入れになっている(反対に、軟臥では天井にあった荷物入れが無い)ことなのだが、実は見た目にはわからない最大の違いがある。それはエアコンが無いことだ・・・。(もちろん、中国にも普通列車を中心にエアコンの無い車両はある。この場合は料金が安くなる。)その代わり天井から風を取り込んでいるらしく、列車が動いている時には室内に風が吹いてくるのだ。
 私の向かいの席にも旅行者風の乗客が乗り込む。しばらくして、その人に日本語で話しかけられびっくりする。その人は、ハンドル名「伝蔵」さんという日本人の男性だった。(伝蔵さんのページはこちら)こんな場所で日本人に会えるとはお互い思ってもいなかったので、自然と話が盛り上がる。伝蔵さんもまた、相当な旅行経験者のようだ。そこにAさんが窓の外から声をかけてきた。Aさんは2等車だったようだ。

 23時58分、アルマティ行きN955列車が発車する。窓の外の街の灯りがしばらく途絶えることなく続く。やはりウルムチは巨大な町である。車掌さんが切符とパスポートのチェックをする。ここまでは中国と同じだが、渡した切符の代わりになる座席証をくれない。やはり中国とカザフでは鉄道システムも微妙に異なっている。チェックの後で、車掌さんがお茶入りのポットを持ってきてくれた。中国の鉄道の旅ではコップは必需品なのだが、今回は不覚にも紙コップも持っていなかった。ここでは英語も通じない。伝蔵さんが「コップが欲しい」とジェスチャーすると、すんなり伝わった。旅行経験の豊富さは、こんな所にも現れるようだ。
 0時28分、烏西に到着。烏西を出ても窓の遠くに一筋の灯りが見えるのだが、これはウルムチからカザフ国境へ向かう高速道路の道路灯のようだ。車掌さん、今度は20元を要求。用途のわからぬ出費はしたくないのだが、言葉も通じず、しぶしぶ払う。しばらくしてナイロン袋に入ったタオルやシーツを持ってきた。どうせ徴収されるなら、運賃に含めてくれれば良いのだが・・・。

 私達が眠りについている間に列車は北西に進路をとり、石河子・クイトゥンを通って国境へとひた走る。目が覚めると、そこには大きな湖が広がる。アイビー湖である。そして間もなく、列車は国境の駅、阿拉山口に到着。8時ちょうどだ。

続く
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ウルムチ~阿拉山口

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