シルクロード鉄道旅行-第1弾(北京→西安)(10)

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北京を出発

 ようやく改札が始まったようだ。候車室に所狭しと詰め込まれた人々が、一斉に前方の改札口へと向かう。私も後ろから押し出されるように前へ進む。改札口を抜けてホームへ下りて行くと、そこには西安行きのT231特快列車が停まっていた。列車番号に"T"や"Z"のつくものは特快列車であり、停車駅の少ない最も速い列車である。ちなみに、快速列車には"K"や"N"がつき、普通列車には数字だけしかつかない。多くの特快列車がそうであるように、この列車も18両編成である。各車両の入口には車掌さんが一人ずつ立っていて、ここで切符を見せてから列車に乗り込む。乗客は、自分の乗る車両以外からは乗り込むことはできない。例えば8号車を予約している人は、7号車や9号車から乗り込むことはできないのだ。
 私が乗るのは「軟臥」と呼ばれる一等寝台車で(日本ではA寝台にあたるだろうか)、一部屋には上下2段の寝台が2つ向かい合っている。ちなみに、二等寝台車は「硬臥」と呼ばれ、一部屋には上下3段の寝台が2つ向かい合っているそうだ。また、寝台でない通常の座席は「軟座」(一等)、「硬座」(二等)と呼ばれる。軟臥では一部屋毎にドアがあり、鍵もかかるようになっているので、同じ部屋の乗客さえ信用できれば寝ている時も安心、というわけである。私は、その軟臥の下段に陣取る。下段の方が料金が少し高めだが、上段に上るのにまともな梯子が無い(壁際に足をかける所があるのみ)のが少々不安だったからだ。
 17時33分、列車は北京西駅を発車。初めはビルや道路の合間をゆっくりと進んで行くが、徐々にスピードを上げる。2004年4月のダイヤ改正により、特快列車は大幅にスピードアップした。最高時速は160km/hである(日本の在来線の特急より速いのでは?)。このT231列車も、以前と比べて西安到着が50分程度早くなったそうだ。
 しばらくして、車掌さんがやって来る。まず切符と、赤いカードを交換する。実は、列車を降りる間際にこのカードを切符と再度交換するのだ。つまり、乗り過ごしがないようにしているのである。次に身分証をチェックする。パスポートを出したらびっくりされた。列車に一人で乗り込む日本人は少ないのだろうか?
 私と同じ部屋にいるのは、天津で英語の教師をしているというインド人の夫婦と西安に出張する中国人ビジネスマンだ。しばらくの間、4人で会話する。私にとっては冷や汗ものの英会話だけれど・・・。
 気がつくと、眼前にはのどかな田舎の風景が広がっていた。レンガでできた素朴な家々、ところどころ崩れかかった建物などが見える。都会と田舎のギャップは、結構大きいのかもしれない。18時59分、保定に到着。保定を出ると、同室の人達は疲れているのか早々と寝支度に入る。私も横になり、本を読んで過ごす。20時18分、石家庄に到着。この後のことは記憶にないのだが、列車は鄭州に向かって南へ進み、鄭州からは西へ進んだはずである。

続く
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北京~鄭州

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