4日目白波 朝、イエール駅前から67番の市バスに乗る。バスは幹線道路を南東へと向かうのだが、線路が並走していることに気が付く。
前回も少し触れたように、この線路は駅からずっと伸びている。だが、イエール港の手前で線路はぷっつりと途絶えてしまう。おそらくは、かつて港への引き込み貨物線だったのであろう。
幹線道路は、港の入口で向きを南に変える。ここからは細長く海に突き出た潟となる。
ビーチ
が続き、リゾートホテルが立ち並ぶ。宿泊客と思わしき人々が次々とバスに乗り込んでくる。
潟が尽きると、今度は山道を上る。ここは、おそらくかつては島だったのであろう。坂道の途中でバスは横に折れ、さらに狭い坂を上ると、教会の前の展望台のようなところに到着。ここでしばらく停車すると、今度は来た道を折り返して、先ほどの道の分岐点に戻ると、南東へと坂道を下る。
そして終点のラ・トゥール・フォンデュに
到着
。
ラ・トゥール・フォンデュという名前は、おそらく岬の先端にある灯台のような砦のような
建物
を指すのであろう。ここにも小さな港があり、イエール諸島に向かうフェリーが発着している。その一つ、ポルクロル島に向かう
フェリー
に向かうが、早くもすごい行列だ・・・。
フェリーは9時30分に出発する。混雑のため、ど真ん中の何も見えない席に追いやられてしまう。10時前にはポルクロル島に到着。
島は、港の周辺こそ賑わっているものの、その先に行くと未舗装の道路も多く、バスなどはない。長時間滞在できるのであれば、あちこち散策できるのだが、私には長くて数時間しかなく、港の周辺を少し歩き回るしかできない。
まずは港から東へ少し歩くと坂道となり、崖下にはビーチや
ボートの停泊場
が見える。
今度は港から南に向かうと小山があり、山の上にはいつの時代のものかわからないが
砦
がある。
もちろん、どの方向にも道はずっと先に伸びているのだが、あまり深入りできない私は早々に引き上げてしまう。
11時30分のフェリーでイエールに戻る。さすがにこの時間に島から戻る人は少なく、今度は船縁に座れる。乗客が少ないせいなのか、潮のせいなのか、船足が速い。
白波
を立てて快調に進む。早くも11時45分にはラ・トゥール・フォンデュに到着。
折り返しのフェリーは、乗客を満載して慌ただしく
出港する
。
11時50分発車予定の67番バスは、なかなかやって来ず、結局12時15分に到着した・・・。案の定、ここまでぎっしり詰め込まれた超満員の乗客が一斉に降りてゆく。フェリーと同様、イエールへ戻る便は大して混んでいない。潟の
ビーチ
も大勢の海水浴客で賑わっている。バスは、遅れを取り戻すためなのか、恐ろしく飛ばす・・・。今度は駅前では降りず、終点の市中心部まで乗り続ける。
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