ヨーロッパ横断鉄道旅行-第12弾(ピサ→ミラノ)(13)

ポルトフィーノ湾
5日目

隠棲

 朝、ジェノヴァ・プリンチペ駅に行く。前日に到着した地上ホームではなく、この日は地下ホームに下りる。「地下」と言っても実際は地上である。地上ホームや駅舎が高台にあるので、海側のこのホームは「地下」に見えるだけだ。とはいえ、このホームのブリニョーレ側の半分は実際にトンネルの中なのだ。山が海に迫るリグーリア地方の複雑な地形を象徴するかのようだ。

 そうこうしているうちに、セストリ・レヴァンテ行きの列車が入線する。8時14分に発車。そのままトンネルに入り、抜けるとジェノヴァ・ブリニョーレに停車。R(Region)列車だから各駅に停車すると思っていたが、意外にもここからは快速運転となり、町はずれのジェノヴァ・ネルヴィまで停まらない。
 その後も快速運転は続き、ボリアスコレッコカモーリの順に停車する。カモーリからは内陸に入り、ポルトフィーノ半島を横断して反対側のサンタ・マルゲリータ・リグレに停車。8時50分過ぎだ。

 は高台にあるので、少し歩いて街に下り、港へ向かう。ポルトフィーノ行きのフェリーまで少し時間が余ってしまったので、しばらくブラブラ。街はを中心にカラフルな建物が建ち並び、ちょっと風格というアクセントを添えるかのように小さなお城まである。ここもリヴィエラのリゾート地の一つなのだ。

 のんびり街を歩いていたら、いつの間にか港に大行列ができている・・・危ない。チンクエテッレ同様、ここにも観光客が押し寄せ、フェリーはあっという間に超満員となる。10時15分に出航。次第に遠ざかるサンタ・マルゲリータ・リグレの街を眺める。やはり港町の美しさは、海上からでないとわからない。
 フェリーは半島に沿って南に向かう。山のあちこちに瀟洒な邸宅庭園が見える。住宅というよりも、別荘なのであろう。
 やがてフェリーは半島の南端近くで向きを変え、入江に入ってゆく。その入江もまた、カラフルな建物に覆われている。ここがポルトフィーノである。

 フェリーを降り、少しを巡る。見るからに豪華なクルーザーがそこかしこに停泊している。ポルトフィーノは、実は世界中の富裕層の隠れ家として現在人気の地であるらしい。

 港から小高い丘に登ってみよう。現れたのは、別荘?いやだ。いや、実はどちらも正しい。元はジェノヴァが建てた城だったが、ブラウンというイギリス人が買い取り、一時期別荘にしていたのである。
 ここから見たポルトフィーノの入江の景色は・・・素晴らしい。これで天気さえよければ、何も言うことがないのだが。
 今度は、城の搦手?から出て丘を下りてみよう。その麓には珍しい黄色の教会(サン・ジョルジョ教会)が建っている。

 昼食。と思ったが、やはり金持ちが集まるところだけあって、レストランは軒並み高い・・・。多くの人々と同様、私もこんな所に別荘を構えて優雅な隠遁生活をすることに憧れるが、どうやら現実には別荘どころか半日も過ごせないようだ(笑)。結局ピザとビールだけ口にして、早々に退散することに。

 サンタ・マルゲリータに戻ると、また少し歩いてみる。大きな教会を発見。その名もサンタ・マルゲリータ教会。町名の由来なのであろう。よく見ると、辺りも門前町のようになっている。が、シエスタにはまだ早い時間帯なのに、多くの店が閉まっている。この街にとって、まだシーズンオフなのだろうか?

 駅に戻る。14時1分、サヴォナ行きの列車に乗る。これは各駅停車だった。ふと気がつくと太陽がまぶしい。朝からずっと曇っていたのに、どうして今頃になって晴れるんだ!!!と呟いたところで、今更ポルトフィーノに戻る気力・体力はもはやない・・・私の気分は晴れないまま、列車は14時51分、ジェノヴァ・プリンチペに到着。今度は地上ホームである。

続く
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