ヨーロッパ横断鉄道旅行-第12弾(ピサ→ミラノ)(5)

リオマッジョーレ
五村(その1)

 フェリーは真っ青な海原を白く裂いて進む。陸側を見ると、何と断崖の上に家々が寄り集まる小さな村が見える。海に極限まで近づきながら海までの道のりは非常に「遠い」、そんな村なのであろう。
 やがて景色は変わり、今度は海に「近い」村が現れる。そしてフェリーは大きく右旋回して、その村に近づいてゆく。

 岩場の先にフェリーは器用にも着岸した。狭い岩場をしばらく歩くと、現れた景色に思わず息を呑む。小型のボートくらいしか入れない小さな入江、そのわずかな入江も逃すまいとばかりにぐるりと周囲を取り囲む3~4階建ての家々。別に被写体にするために建てたものではないだろうが、結果としてとても絵になる景色になってしまった。

 断崖が海に迫り、平地の少ないリヴィエラ海岸南部に点在する五つの村。これらを総称して「チンクエテッレ」(五つの村)と言う。ここリオマッジョーレは、その最南端の村だ。入江から坂道を上っていくと、沿道には土産物を売る店やレストランが軒を連ねる。元は小さな漁村だったと言うが、今ではすっかり観光地化されている。
 坂道を上りきったところにトンネルがあるので入ってみる。には海をモチーフにしたタイル壁画が描かれている。

 トンネルを抜けたところは、何とだ。三方を山に囲まれたリオマッジョーレ駅は、線路の走る二方がトンネル、海の反対側には城壁のような高い壁が聳え、そこにも壁画が描かれている。
 シーズン中には1日に何便も着岸するフェリーの乗客に加え、ラ・スペツィアからわずか1駅の距離にあるこの駅にも、大勢の観光客が押し寄せる。

続く
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