ヨーロッパ横断鉄道旅行-第10弾(フィレンツェ→ローマ)(12)

天使像
8日目

夜の天使

 朝からローマ各所を回ったのだが、あまりに細かいので省略する。
 夕食後、20時前にホテルを出発。テルミニ駅から40番バスに乗る。このバスはヴェネツィア広場、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世通りというローマの目抜き通りを通って進むのだが、道路の舗装状態が悪いためか、非常によく揺れる・・・テヴェレ川を渡ると終点だ。目の前には高い城壁が聳えている。これが何なのかは、後述することになるだろう。

 真夏であるので、20時といってもようやく灯点頃である。20時から始まるカステルサンタンジェロの夜間入場のために、早くも行列ができていた。行列しながら城を眺めていると、その形に違和感を覚える。それもそのはず。この建物はもともと古代ローマのハドリアヌス帝の廟所であったのだ。だから今目の前に見えている円形の建物は、まさにロトンダなのである。

 ようやく入場。既に日は暮れて空は暗くなっている。まずは、丸い内陣(元のハドリアヌス帝廟)と四角い外陣(内陣を守るために中世になって追加された城壁)の間の通路を進み、ここから外陣の壁の上に登る。ここはいかにもお城である。
 次いで、外陣から架け渡された橋を通っていよいよ内陣に入る。ローマ教皇の居所としても使われた部屋の装飾はやはりため息がでるほど美しい。そしてテラスからは、近くに建つバチカンのサンピエトロ大聖堂の威容を眺めることができる。

 てっきり見学はこれで終わりかと何気なく入った通路。しかし、これが長い。しかも次第に細くなり、心も細くなる・・・やがて係員の姿が見え、階段を上るように促される。そうか、ようやく行き止まりか。と思いきや、通路の真上の城壁の上をまたひたすら歩くのである。
 ここはどこなんだろう?前にはサンピエトロ大聖堂が見えてきたではないか。そして振り返るとカステルサンタンジェロが少し遠くに。
 ここでようやく気付いた。これは、バチカンとカステルサンタンジェロを結ぶ城壁なのだ。教皇をはじめとする貴人は、この両所を秘密裏に行き来することができたのである。もちろん彼らが通ったのは、城壁の上ではなく、先ほど通った下の通路であろうが。先ほどの40番バスの終点は、まさにこの城壁(コリドーと呼ばれる)の側だったのだ。
 ならば、このままバチカンへ。と歩き出したが、途中で行き止まりになっていて、一般の観光客は最後まで進むことはできない。天使の城に隠された秘密。闇夜に浮かぶ大天使は、実はちょっと腹黒いのかもしれない。

続く
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