ヨーロッパ横断鉄道旅行-第10弾(フィレンツェ→ローマ)(4)

カンポ広場
5日目

宴の前

 朝、SMN駅の4番線へ行く。ホームも、そこに停車している列車にもどこか見覚えがある。それもそのはず、これは前日に乗ったシエナ行きなのだから・・・
 9時15分に出発。ルートも時間も前日と同じだから、途中まで省略しよう。10時18分、ポッジボンジに停車。ここからは山間部になり、線路も単線に変わる。目の前にお城が現れる。カステリーナ・イン・キャンティを通過。今度は山の頂上に城が見える。バデッセを通過。いくつものトンネルを抜ける。いくつ目かのトンネルに入ると列車は徐行する。そしてトンネルを抜けると、そこは終点のシエナだった。10時40分に到着。

 まずは何も考えずに駅前に出てみる。駅は市街中心部からは離れているからバスに乗る必要がある。チケットは買ったものの、市街中心部への乗り場がわからない・・・。その時、明らかに旅行者風情の人々が次々に駅前のショッピングモールに入っていくのが見えた。迷ったら人に追随するのもありだ。私も中に入ってみよう。
 人々を追って、エスカレーターに乗る。最初は普通のエスカレーターだった。ところが、何度も乗り換えているうちに、エスカレーターが折り返すことなく、まっすぐに続いていることに気づく。いつの間にか商業施設ははるか後方になり、ひたすら長い坂道を上っているのである。そして出口。そこは建物の屋上ではなく、地上であった。しばらく狐につままれた気分になったが、ようやくここまでの経路や自分の現在位置を理解した。
 シエナの市街地は丘の上にあるのだが、駅は丘の下にある。駅前のショッピングモールは丘の麓に建っていて、市街地の丘への連絡通路があるのだ。

 というわけで、私は市街地の丘まで上がってきたわけだが、それでも中心部には少し遠いので、ここアンティポルトというところからバスに乗る。どこをどう進んだのかよくわからないのだが、ともかくドメニコ広場で下車する。広場には同じ名前の立派な教会も建っているのだが、私の目は谷を挟んで向こうに見えるドゥオーモの壮麗な姿にくぎ付けになってしまった。実際にはドゥオーモから谷に向かって建物がびっしりと並んでいるのだが、私にはどうもドゥオーモの姿だけが浮き上がって、それが天空に浮いているように見えてしまうのだ。とにかくあそこまで行ってみたい。

 まず、ドメニコ広場から坂を下り、また上ってサリンペーニ宮へ。中には入れないが、美しい建物だ。
 サリンペーニ宮から左手に歩くと、また坂を下る。シエナは本当に坂道が多い。町の中心・カンポ広場にたどり着く。だが、ここは広場というよりは競技場である。なぜなら、そこには馬場桟敷席があるからだ。ただし、これはこの広場の常の姿ではないようで、これから数日後に開催されるパリオという行事のためだろう。パリオでは裸馬の競馬が行われるからだ。
 広場に面したプッブリコ宮に行くが、切符売り場は長蛇の列でいったん諦める・・・

 広場から南に向かい、道すがら昼食を食べて、国立絵画館に行く。こちらは驚くほどガラガラである。しかし、宗教絵画やシエナ派絵画のコレクションは見ごたえ十分だ。

 そして、ようやくドゥオーモへ。フィレンツェのドゥオーモにも通じる白くて美しい外観に見とれてしまうが、ゴシック様式の内装も豪華で、白黒の高い柱が印象的である。期間限定公開の床面は残念ながら見られなかったが、金で彩られた壁・天井や巨大絵画にも圧倒される。さらに、ピッコローミニ家の図書室と呼ばれる部屋では言葉を失う。

 満腹感としか言いようのない状態でカンポ広場に戻る。プッブリコ宮の行列が短くなっていたので、入る。中は市立美術館になっていて、フレスコ画のコレクションが素晴らしい。塔(マンジャの塔)にも上ってみたかったが、この暑さに自信がなく、諦める。

 駅に戻るのは意外に難しいと感じたので、市街地にあるグラムシ広場のバスターミナルに行き、ここからフィレンツェ行きの快速バスに乗る。
 16時50分に発車。バスはシエナの各所に停車すると、ハイウェイに入る。濃い・薄い緑に覆われた小高い丘、そこに散在する建物、トスカーナの素敵な風景が広がる。フィレンツェの南西部でハイウェイを下りると再び各所で停車し、17時55分にSMN駅に到着する。

続く
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