ヨーロッパ横断鉄道旅行-第10弾(フィレンツェ→ローマ)(1)

ヴェッキオ橋から
2日目

ロッソ

 フィレンツェの空は晴れ渡っていた。気持ちの上では「まだ見てないところがたくさんある」と思っていたが、いざ歩き始めてみると、「ここは見た」というところばかりで、気が付くとドゥオーモの北東にあるサンティッシマ・アンヌンティアータ広場(舌を噛みそうだ・・・)に来ていた。広場に面する捨て子養育院絵画館に入ろうと思ったが、建物をリニューアルするらしく、この時は閉館していた・・・。それで、隣接する考古学博物館に入る。
 まずは古代エトルリアの遺物コレクション。改装中で見られないものも多かったが、それでも数多くの青銅器や陶器などが展示されていて、ローマに継承されたと言われるエトルリア文明の水準の高さをうかがわせる。他には古代エジプト、ギリシャ、ローマと言った定番のコレクションがある。もともとあまり期待していなかったのだが、意外にコレクションが充実していて、とても良かった。

 午後は、前回行けなかったアカデミア美術館へ。やはり入口は長蛇の列であるが、私は事前に予約していたので、時間通りに入る。メインのコレクションは宗教画だ。素朴な祭壇画から、巨大絵画に至るまで、見どころ十分である。だが、一番の見どころは、フィレンツェが生んだ巨匠・ミケランジェロのダビデ像。像は巨大だが、人だかりができていて、遠巻きにしか見られない・・・

 夕方、ドゥオーモに行き、前回あえて避けた鐘楼に登る。クーポラと同様、鐘楼にも階段しかない。わざわざ夕方を選んだつもりであったが、それでも真夏の残暑は厳しく、登りつめたところで、文字通りへたってしまった・・・。無様にも石のベンチにしばらく横たわった後、ようやく立ち上がって眺めた景色は、クーポラからのものに勝るとも劣らない。クーポラ、そして市街地を埋め尽くす赤い屋根に夕日が注ぎ込み、より鮮やかな色が浮かびあがる。

 夜、ヴェッキオ橋を渡ってアルノ川の南岸に行く。夕日が最後の残照を、アルノ川の上に放つ。辺りがすっかり闇に包まれた頃、とある教会でコンサートが始まる。ソプラノとテノールの歌手が交互にその技を競い、最後は合唱。マイクなど使わなくとも辺りを振動させるその声量に、私の心も震える。

 アルノ川岸に並んだ光の列を見ながら北に向かう。昼間の暑さを避けていた人々は、ここぞとばかりに街に繰り出し、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会は、夜会向けに化粧をし直したかのように、妖艶な姿で現れる。フィレンツェの夜がこうして更けていく。

続く
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