ヨーロッパ横断鉄道旅行-第9弾(ヴェネツィア→フィレンツェ)(12)

ポレッタ行き普通列車(ボローニャ駅)
9日目

夢破れて

 ボローニャを去る日が来た。天気は曇り。荷物を持って駅に向かう。ボローニャ駅の西6番線に入線しているポレッタ行きの普通列車に乗り込む。内部は全てブルーシートのボックス席という、トレニタリアでは標準の車両である。

 10時4分、列車が発車する。列車はボローニャの広い構内線を北西に抜けてレーノ川を渡ると、パルマそしてミラノ方面へと向かう線路と分岐して南へと向きを変える。そしてボルゴパニガーレ、次いでカステルデーボレに停車する。この辺りはボローニャの郊外だから、工場も多い。次のカザレッキオ・ガリバルディの手前で線路が分岐し、この列車は左に進んで停車。右に進むと、ヴィニョーラに向かう路線となる。

 カザレッキオ・ガリバルディを出発した列車は、徐行で次のカザレッキオ・ディ・レーノにすぐ停車。ここからは単線になる。そして、景色はレーノ川沿いの渓谷に変わる。雨が降り始める。

 しばらく渓谷を進んで、ようやく初めてレーノ川を渡る。ラーマ・ディ・レーノに停車。またすぐにレーノ川を渡る。川はようやく蛇行を始め、線路もそれに合わせてカーブが増える。列車はマルツァボットピアン・ディ・ヴェノーラなどに停車し、渡河の回数も増える。

 列車はリオラに停車。ここから長いトンネルを抜けてシッラに停車。そして、列車はようやく終点のポレッタ(正確にはポレッタ・テルメ駅)に到着する。11時12分。

 次の列車まで時間があるので、外に出てみた。駅前は食料品の市になっている。ここからレーノ川の渓谷に架かる橋を渡ると、すぐに町の中心部である。駅名に「テルメ」と名のつく通り、ここは温泉保養地として知られているのだが、とても小さい町だ。しかし、小雨が降る中を荷物を全て抱えているので、わずかな距離でも移動は不自由きわまりない・・・
 町の中心にあるリベルタ広場では、さらに大きな市が開催されていた。広場に面して、何の建物かはわからないが、塔のある由緒ありげな館の最上階の壁に壁画が描かれているのがいい。雨は一向に止まない。楽しいことは楽しいが、この状況では街歩きも限界だ。逃げ込むようにしてカフェに入る。

 何ゆえに荷物を全て抱えてポレッタにやって来たのか?日帰りでふらりと入浴できる施設があるわけではない。まして泊まりに来たわけではない。目的はただ一つ。ボローニャの南に広がるアペニン山脈、イタリアを南北に分断するその山脈を鉄路で越えることである。ボローニャからポレッタまでアペニン山脈を鉄路で登り、そしてポレッタからフィレンツェの西郊・ピストイアまで鉄路で下る。これがしたいのだ。

 駅に戻る頃には雨が本降りになっていた。13時20分過ぎ、ピストイアまでの切符を買ったところで、その列車が来ないことに気づく。慌てて駅員に聞いてみると、ピストイアまでの路線は運休中で(2014年5月時点)、バスで代行しているとのこと。衝撃だった。ワイルドなアペニン越えの夢が、ここに潰えた・・・。ピストイアに向かう鉄路を虚しく見つめる。
 「ここまで来たのだから、もうバスに乗ってしまえ」心の片隅から声がする。だが、ここでバスに乗ってしまえば、今まで繋いできた鉄路のつながりが絶えてしまう。私はボローニャ行きの切符を買った。

 さらに待つこと1時間、ボローニャ行きの列車は14時22分に発車した。列車はレーノ川の渓谷を下る。往きには気づかなかったのだが渓谷には保養用の別荘かホテルが多く立ち並びリオラの辺りまで続いている。リオラの直前で列車は急停車。しばらくして運転再開し、リオラに到着すると、そのまましばらく停車してしまう。14時42分、ようやく発車するが、徐行。この後も駅間での停車を繰り返す。14時54分、ヴェルガトに停車。ヴェルガトも大きな町である。この後は運転も順調になって丘陵を疾駆する。やがて天気も回復してきた。15時36分、ボローニャに到着する。

続く
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