ヨーロッパ横断鉄道旅行-第6弾(ベルリン→ミュンヘン)(17)

ドナウの泉
ドナウエッシンゲン→コンスタンツ

 駅のコインロッカーで荷物を預けようとしたのだが、あいにく小銭がない。仕方なく、荷物を持ったまま街を歩く・・・。由緒ありげで重厚な建物の並ぶ通りを進むと、ブリガッハ川を渡る。川を渡ったところに教会があり、その隣にがある。見た感じは、ちょっとしたお屋敷の庭園にありそうな普通の泉である。だが、そんなものを見るためにわざわざ途中下車するはずがない。この泉はそんじょそこらの泉とは異なる。何を隠そう、あの大河ドナウの源流なのだ。この泉から湧き出た水がブリガッハ川に注いだところからドナウ川になるのだと言う。泉のほとりに立ちながら、かつて訪れたドナウ流域の町(ウィーン、ブダペスト、ベオグラードなどなど)やそれが最後には黒海に注ぐ様を思い浮かべると、とてもロマンティックな気分になる。
 だが、ふと我に返ると、この泉がドナウの源流というのには違和感を覚える。普通なら、ブリガッハ川の源流がドナウの源流と考えるのではないのか?実は、泉の水がブリガッハ川に注いだところから数百メートル下流にあるブリガッハ川とブレーク川の合流点から先が現在ではドナウ川と呼ばれる。実際ブレーク川の方が全長が長く、ブレーク川の源流こそドナウの源流と主張する人々もいるそうだ。
 しかし、この泉がドナウの源流と考えた方が、私ような旅人にはロマンティックで楽しいのは確かである。

 に戻り、先に進むことにしよう。13時13分、クロイツリンゲン行きの快速が到着する。列車はブレーク川を渡ると、ブリガッハ川と合流して「ドナウ」と名乗ったばかりの川に沿って走る。初めは広い平原だが、次第に山が迫ってきて狭まる。13時22分、インメンディンゲンに停車する。ここから線路は二手に分かれる。左に進むと、このままドナウ川の渓谷に沿ってウルムへと向かう。この列車は右に進み、山越えの道へと入って行く。美しい谷間をいくつも越えて、列車は山を下り、エンゲンの町を通過する。そのまま平野を南に進むと、ひときわ大きな町に入る。右側から線路が合流して来る。これはスイス・チューリッヒからの路線だ。13時43分、ジンゲンに停車する。大勢の乗客が下車する。

 ジンゲンでは10分停車した後、13時53分に出発する。大きな車両基地を通過すると、信号所で停車。再び発車するとすぐに大きな水面が現れる。ボーデン湖だ。14時ちょうど、湖岸の駅・ラドルフツェルに停車する。ここでもたくさん下車する。線路はまた分岐し、左に進むとボーデン湖の北岸に沿ってリンダウ方面に向かう。この列車は右に進み、南北二股に分かれた湖の南側の部分に沿って進む。真夏の日差しに照らされて真っ青な湖面が続く。14時7分、アンスバッハに停車する。付近はオートキャンプ場だらけだ。列車はいったん内陸に入る。大きな工場や研究所などが見える。そして唐突に登場したライン川(この辺りの地形については次回説明する)を渡り、14時15分にコンスタンツに到着する。私はここで下車する。列車はなおも一駅進んでクロイツリンゲンに向かう。ここコンスタンツはドイツ・スイス国境のドイツ側にあり、クロイツリンゲンはスイス側にある。列車は最後の最後でちょっとだけ国境を越えるのだ。
 コンスタンツ駅にはスイス鉄道(SBB)の列車も多く停車している。この駅の南半分はSBBの駅であり、国境の駅の雰囲気たっぷりだ。
 手荷物用のリフト(ドイツの主要な駅で、エスカレーターがない駅にはたいていある)に荷物を託し、階段を上り下りして外に出てみよう。駅舎には教会風の塔も立っていて、いくつもの宗教会議の舞台となったこの町の歴史を象徴している。これから、この町とボーデン湖を少し散策してみよう。

続く
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