ヨーロッパ横断鉄道旅行-第6弾(ベルリン→ミュンヘン)(11)

要塞から見たドイチェス・エック(1)
ドイツの角

 コブレンツ駅前から、これから行きたいところまではバスがあるのだが、次のバスは30分後だというので、市街地を歩いて行くことにする。北に向かって歩くこと約20分、目の前に大きな川が現れる。これはモーゼル川だ。川沿いにしばらく歩くと、今度は前方に大きな川が現れる。こちらはライン川だ。そしてまもなく二つの川は合流する

 この合流点前の陸地は大きな公園になっていて、巨大な騎馬像が聳え立っている。台座の高さだけでも23メートル、像の高さも14メートルもある立派なものだが、この騎馬像の正体は、ドイツ皇帝・ヴィルヘルム1世である。地方都市には大げさ過ぎるモニュメントだと思うのだが、その理由は、この場所の「重要性」に由来する。
 まずは台座に上ってみよう。階段がけっこう多いのでしんどい・・・。台座から見下ろすと、陸地が美しく丸い三角形になっているのがわかる。左側がモーゼル川、右側がライン川だ。ドイツ人は、ライン川を「父なる川」、モーゼル川を「母なる川」と呼んできた。その「父母」が交わるのだから大変重要な場所だ、というわけだ。「じゃあ、ドナウ川はどんな川なの?」と言いたくなるが、ここでは問わない。ともかく、この場所は「ドイチェス・エック」(ドイツの角)と呼ばれ、ドイツ人にとっては重要な場所なのである。

 今度はライン川に目を移してみよう。川の向こうの切り立った山上には、何やらお城のようなものが見える。これはエーレンブライトシュタイン要塞だ。ここに行ってみたいが、川を渡って陸路から攻略するのは容易ではなさそうだ。しかし、幸いなことに要塞からドイチェス・エックまでまっすぐなロープが渡されている。早速ロープウェイに乗ってみよう。

 ロープウェイはゆっくりとライン川を渡る。右岸を見下ろすと、川沿いに走るライン右岸線が見える。ホームが見えるが、これはコブレンツ・エーレンブライトシュタイン駅であろう。次第に、要塞の姿が間近に迫ってくる。
 要塞に到着してみると、そこは川に面した険しい地形とは打って変わって、実に平たい場所である。要塞には最適な場所だと言える。要塞の創建は11世紀まで遡るが、現在では19世紀に再建された建物群が訪れる者を威圧し続けている。
 この要塞からは、コブレンツの市街、そして何よりドイチェス・エックの姿を一望することができる。ドイチェス・エックから少し引いて眺めてみよう。写真ではわかりにくいが、実はライン川とモーゼル川の水の色が若干異なっているのだ。これは両者の沿岸の土壌が異なるためで、この先20kmほどは、2つの色が交わらないまま流れていくらしい。
 ロープウェイの乗ってドイチェス・エックに戻る。コブレンツ・エーレンブライトシュタイン駅にちょうど列車が停車しているのが見える。残念なことに、2011年の博覧会用に建設されたこのロープウェイは、世界遺産(この辺りのライン渓谷一帯)の中にあるため、2013年中には撤去される予定なのだそうだ。

続く
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