ヨーロッパ横断鉄道旅行-第2弾(アテネ→ブダペスト)(6)

ベオグラード行き列車(テッサロニキ駅)
7日目

テッサロニキ→ゲヴゲリヤ

 朝5時30分前にテッサロニキ駅に行く。ホーム上には何台もの列車が停車しており、どれがどの列車だかわからない。その中で機関車のエンジンが動き出したところに行ってみると、案の定それがベオグラード行きの列車だった。
 電気機関車の後ろに、1号車(2等)2号車(1等)が連結されているのみという非常に短い編成である。私は1等の切符を持っているので2号車に乗る。しかし座席の指定はなく、全て自由席なのだ。座席は、今までと同様に6人1部屋のコンパートメントである。

 5時58分、列車がテッサロニキを発車する。まず、アテネに向かう線路が南へと分岐し、次いでトラキア地方からトルコに向かう線路(前回の旅行を参照)が北へと分岐する。この列車も、テルマイコス湾に注ぐアクシオス川の手前で北へと進路を変え、その後は川に沿って北上する。
 初め列車のスピードは非常に遅かったが、次第にスピードを増してゆく。窓の外はまだ真っ暗で、並走する高速道路の灯りが一直線に見えるだけだ。
 車掌による検札の後、早くも出入国係官がやって来てパスポートを回収してゆく。

 列車のスピードが落ちてきた。車内の照明が薄暗くなる。後にわかってきたことだが、これは故障ではなく、列車のスピードが一定値以下に落ちると照明が暗くなる仕様らしい(駅の周辺で明るくしないためか?)。6時35分、おそらくポリカストロと思われる町の手前の信号所で停車する。
 列車はすぐに発車して町を通過するとアクシオス川を渡り、この川の峡谷に入って行く。川に沿っていくつものカーブを通った後、川から離れ、多数の貨車が並んだ駅に到着する。ギリシャ側の国境の駅・イドメニである。6時53分。

 いつものように係官がやって来てパスポートを返却するものだと思ってのんびり待っていたのだが、いっこうにやって来ない。そのうち、車内の乗客達が次々に列車を降りてゆく。通常は、出国手続きが終わるまでは列車には出入りできないはずだが・・・。しかも、駅の構内には「POLICE」と書かれた警察署以外に目立つものはない。どこか裏手の方に売店でもあるのだろうか?
 どこかで「日本人はいるか?」という声が聞こえる。身に覚えはないけれど、この車内で日本人は私一人だろうから通路に出てみると、他の乗客が駅の「POLICE」に行けと言う。どうやらパスポートはそこで受け取るものらしく、皆それを取りに行っていたのだ。
 列車が停車していたところにはホームすらなく、車両の出入口の階段から地面に飛び降りる。草に覆われている隣の線路を越えて駅の警察署に行く。私のパスポートは、警察署の窓際に一つだけ取り残されていた。出国のスタンプがちゃんと押されていることを確認して一安心。これがヨーロッパ流なのかとこの時は思ったのだが、その後同じ目に遭ったことがないので、ここだけの話かもしれない。

 7時13分、列車が発車する。列車はギリシャ・マケドニア共和国の国境地帯をゆっくりと進むのだが、辺りはまだ真っ暗で、どこが国境なのか判然としない。そのうち、また貨車の並んだ広い構内が現れ、列車が停車する。マケドニア共和国の国境の駅・ゲヴゲリヤである。時刻はギリシャ時間では7時17分だが、マケドニア共和国時間では1時間戻って6時17分(日本時間マイナス8時間)となる。

続く
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