東四国鉄道旅行(8)

室戸岬(2)
甲浦→室戸岬(高知東部交通)

 甲浦の駅前に、安芸行きの路線バスがやって来た。14時9分に出発する。バスは国道に出ると、白浜海岸を後にして海岸沿いに走る。

 険しい山々が海岸線に迫り、その向こうには何一つ遮るもののない大海原が広がっている。いくつものバス停がコールされるが、誰もバスから降りようとしないし、乗ってこない。バスはぐんぐん進んで行く。どこに連れて行かれるのだろう?不安が胸をよぎる。このバスは、地の果てに続く一本道を進んでいるような気がしてならない。
 集落のある所では、おそらくバスの車高よりも高い防波堤が海への視界を完全に遮っている。猛威を奮う自然に対する人間の必死な抵抗に見える。

 どこに連れて行かれるのだろう?海岸の所々に、道を塞ぐように巨大な岩が聳えている。地の果てが近いのかもしれない。そう思ったその時、「室戸岬」バス停がコールされた。乗客の誰かが降車ボタンを押す。14時59分、私は室戸岬に降り立った。

 確かにそこは険しい岩礁が連なる、人を寄せ付けない場所だった。しかし、少し歩いてみると、人々が憩う浄土のような穏やかな浜辺もあるのだ。後ろに振り返ってみると、幕末の土佐の志士・中岡慎太郎像の背後に、室戸岬灯台を戴く小高い山が見える。左右両方向から続いてきた山々が、ここで交わり、大海に断ち切られている。やはり、私は地の果てに来てしまったのではないだろうか?

続く
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