東四国鉄道旅行(7)

海部駅(2)
海部→甲浦(阿佐海岸鉄道)

 海部駅の牟岐線ホームの反対側は阿佐海岸鉄道のホームになっており、そこには既に甲浦行きの普通列車が停車していた。「ふうりん」のトレードマークのついたその列車の内部は、その名の通り天井から風鈴がぶら下がっている。にはカーテンの代わりに簾が下りていて、地元の人々が作ったと思われる俳句の短冊が飾られている。

 12時33分、列車が発車する。すぐに長いトンネルに入る。トンネルを抜けると、那佐湾が見えてくる。短いトンネルを断続的に抜けて行く。やがて、再び太平洋が現れ、宍喰に停車する。宍喰を出ると、宍喰川を渡り、すぐに長いトンネルに入ってしまう。

 阿佐海岸鉄道は、もともと「阿佐線」と名付けられた計画路線の一部である。阿波の「阿」、土佐の「佐」が名前の由来となっているのは、徳島県南部から高知県の後免までを結ぶ計画だったからだ。
 海部までは牟岐線として開業したものの(牟岐-海部間の開業は昭和48年)、その後は進まなかった。わずか2駅間の海部-甲浦間が開業したのは、海部までの延伸後20年近くも経った平成4年のことで、しかもJRとしてではなく、第3セクターの阿佐海岸鉄道としてであった。
 一方、高知県側では後免-奈半利間が土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線として平成14年に開業している。
 結局、甲浦から室戸を経由して奈半利に至る路線は、今のところ開通する予定はない。

 やがてトンネルを抜けると、そこは高知県だ。そして、列車は終点の甲浦到着する。12時44分。起点の海部からわずか8.5kmの終点である。鉄路はここで行き止まり。「果て」まで来てしまったのだ。

 ホームから階段を下りた所に駅舎があるのだが、階段とは直接接続しておらず、大抵の人は駅舎を素通りして列車に乗り降りするのであろう。ホームからわずかに線路が先に伸びている感じがするのだが、「延伸したい」という意志の表れであろうか?だが、それも階段に行く手を阻まれてしまっている・・・。何だか「無念のモニュメント」を見る思いがする。

 ひっそりとした駅前から海岸の方へ歩いてみる。すると、交通量の多い海岸の国道沿いには立派なホテルが建ち並んでいて、駅前とはあまりに対照的な光景が広がっている。国道を渡り、白浜海岸に出る。青空の下に、真っ青な太平洋が目の前に広がる。海水浴客の賑やかな声が、潮騒に混じって響き渡っていた。

続く
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