シルクロード鉄道旅行-第9弾(テヘラン→イスタンブール)(13)

マリキョイ→エスキシェヒル(2)
アンカラ→エスキシェヒル

 アンカラ駅は首都の駅だけあって、構内は広く、建物も立派だ。駅には、この列車以外に数本の特急・急行列車が停車していたが、いずれも車両の外装は同じデザインだ。だが、それらの列車とは全く異なるのが、一番奥のホームに停車していたトルコ高速鉄道(YHT)の列車だ。YHTは、アンカラとエスキシェヒルの間、約250kmを約1時間30分で結んでいる(2009年8月現在)。
 さて、タトワン埠頭から約1300kmもの間、我らがトランス・アジア・エクスプレスを牽引してきたディーゼル機関車は、ここで電気機関車にバトンタッチする。アンカラからイスタンブールまでは電化されているのだ。
 諸々の準備も終わり、列車は16時32分にアンカラを出発する。この辺りは複線化されており、駅の間隔も短い。日本の都心部で見かけるのと同じような近郊型電車と何度も行き違う。
 16時54分、アンカラ西郊のシンジャンに停車する。ここを過ぎるとアンカラ近郊区間が終わるらしく、線路は単線に戻る。勾配の緩い山道を下り、南西へと向かって行く。

 私は予定時刻など既にどうでもよくなっていたのだが、アンカラに到着した頃から、ある心配が頭をよぎるようになった。イスタンブールへの到着予定時刻は、15時45分。本来ならとっくにイスタンブールに到着している時刻なのだ。イスタンブールまでは約600km近くもある。列車が今までのペースで走るなら、軽く10時間以上はかかってしまうであろう。実は、私はもう次の日には日本へと戻る予定だったのである。もしもイスタンブールへの到着が次の日になってしまったら、私はホテルで1泊もできずにトルコを離れ、さらに飛行機で夜を明かすことになるのだ・・・。

 ところが、電気機関車に交代した途端、列車は今までに見せたことのない猛スピードで飛ばすようになった。小高い丘が点在する平原を列車が疾走する様は、私の心配を幾分か振り払ってくれた。時折、並走するYHTの線路が見えたが、この線路の上を疾駆するYHTの姿を見ることはなかった。
 17時30分、マリキョイに停車する。駅前には小さなSLが展示されているのが見える。18時頃、比較的大きな町であるポラットルを通過する。この辺りから、列車は北西へと進路を変える。遮るもののない広い平原を抜けたかと思うと、小高い山々の連なる間を抜けたりして、アンカラ以東ほどの変化はないが、旅人の目を楽しませてくれる。
 列車は、やがて今度は西へと進路を変えて、19時頃にユヌセムレを通過する。ようやく空に陰りが見えるようになる。夕暮れの中を走ること1時間、列車はスピードを落とし、大きな都会の中に入って行く。街中にたくさんある踏切の前には、大勢の人々が遮断機が上がるのを待っている。見慣れた都会の光景だ。20時10分、列車はエスキシェヒルに到着する。

続く
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