シルクロード鉄道旅行-第8弾(ブハラ→テヘラン)(12)

マシュハド行き列車(サラフス駅)(4)
サラフス→マシュハド

 サラフスの町は、国境からやや北に行った所にある。鉄路や道路は、国境から南西へと伸びている。そんなわけで、サラフスの駅は町から15kmほど離れた所にある。12時30分頃、私達は駅に到着する。
 サラフス駅は、警備の兵士がいるということを除けば、のんびりとした田舎の駅に過ぎない。列車の出発時刻にはまだ時間があるので、駅舎の中にはほとんど人がいない。
 長い長い貨物列車が駅を通過して行く。これからトルクメニスタンへと向かっているようだ。この小さな田舎駅にも、シルクロードの大動脈が流れているのだ。

 13時、駅舎の中のテレビがつけられる。アザーンらしき読誦の声が流れてくる。どうやら礼拝の番組らしい。Mさんをはじめ、駅舎内にいた人達は駅舎内の礼拝室に入ってゆく。礼拝室はイランの公共施設ではどこでも目にするもので、男女別に部屋が分かれている。
 礼拝が終わった頃から、駅には徐々に人が集まるようになる。女性はみんな黒いチャードルを頭からすっぽり被っている。見慣れない者にとっては、修道院の中にいるような光景だ。
 13時50分頃、マシュハド始発の列車が到着する。ディーゼル機関車に牽引された4両の赤い客車から、乗客が続々と降りてくる。機関車も客車も外面の洗浄などしていないようで、とても汚れている・・・。
 14時を過ぎると、小さな駅舎は人々で埋まってしまう。マシュハド行きの937列車は14時15分発予定だが、その時間になっても姿を現さない。14時25分、ようやく937列車がやって来る。ディーゼル機関車に牽引された4両の赤い客車乗客達が乗り込む。先ほどマシュハドからやって来た列車が、折り返しているようだ。
 汚れた外面とは対照的に車内は意外にもきれいだ。4人掛けのボックス席が左右に並んでいる。座席は予約制であり、車両番号と座席番号は切符に記載されている。私達の席は先頭車両であった。先頭車両の前半分は乗務員室になっており、5人ほどの乗務員さんが乗り込んでいる。ちなみに、客車は全て2等車である。

 14時33分、937列車がようやく発車する。辺りには荒涼たる砂漠の風景が広がるが、車内では半分凍りかけたミネラルウォーターがサービスで振舞われる。サラフスを出て1時間ほどして、2つ目の駅を過ぎると、列車は山道を登って行く。いよいよイラン高原に入るのだ。やがて辺りには草に覆われた平原山の稜線が広がる。草原には薄紫のケシの花も咲き乱れている。いくつものトンネルを抜けるが、窓を開けているため、ディーゼルの排気ガスの臭いが車内に広がる・・・。
 空は次第に厚い雲に覆われ、ついに雨が降り出す。平原に放たれた羊の群れにとっては恵みの雨であろう。山々の姿は次第に遠ざかり、列車の行く道も平坦になるが、標高は高いままである。列車は約30分おきに小さな駅に停車するのだが、多くの駅は片側にしかホームがなく、乗客はホームを飛び下り、線路を横切って列車に乗り込む。列車のドアは自動ではないので、乗務員さんが手動で先頭車両のドアを開けている。
 17時15分、駅名は不明だが地図上ではサングバスト付近にあるに到着する。この駅を出ると、線路は二手に分かれる。まっすぐ東、テヘランに向かう線路と、北に折れてマシュハドに向かう線路だ。マシュハドに用の無い貨物列車などは前者を利用するのだろう。もちろん937列車は北に折れてマシュハドに向かう。
 空は再び晴れてきた。強い西日が差し込んでくる。しばらくは平坦な田園地帯が広がっているが、やがて列車は大きな町の中に入って行く。17時53分、マシュハドに到着する

 到着するや否や、客車を牽引していたディーゼル機関車は切り離されていき、余韻を味わう暇もない。ホームを出て駅舎の中に入ると、高い天井の下の大きな待合室を通り、外に出る。駅舎の外見もとても大きくて立派である。

続く
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マシュハド駅

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