高山本線の旅(4)

鵜飼船
篝火

 名鉄岐阜駅前のバス乗り場からバスに乗り、市街地を北へと向かう。長良川に架かる長良橋の手前で下車する。そして、川の両岸に建ち並ぶ温泉旅館の一つに入る。
 部屋に荷物を置き、急いで長良橋に戻る。橋の南詰にある鵜飼観覧船乗り場では、既に鵜匠による鵜飼の説明が始まっていた。観覧船の出発前までに夕食を調達したかったのだが、付近にはコンビニも見当たらず、そのまま観覧船に乗り込む。観覧船は屋形船であり、内部は畳敷きになっていて、低いテーブルを挟んで20~30人が向かい合って座る。

 18時15分、観覧船が出発する。既に空は暗くなっており、川の両岸の温泉街の灯火が夜景を彩っている。金華山の頂上には、ライトアップされた岐阜城の真っ白な姿が浮かび上がる。やがて観覧船は、川の中州に次々に停泊する。鵜飼が始まるまでの約1時間、ここで待機するのだ。お菓子や花火を売りに来る船が時折やって来る他は何事もなく、静かに時が過ぎる。

 19時30分、鵜飼開始の花火が上がる。まもなく、川の上流から鵜飼船が1艘ずつ下って来る。観覧船は、そのうちの1艘の真横に並ぶ。船べりに大きな篝火が焚かれ、その下で鵜が潜ったり出てきたりしている。鵜匠は鵜を手繰り寄せて魚を獲っている。時折、船べりを櫂で叩いて魚をおどかす音も聞こえる。だが、闇夜にまばゆく輝く篝火の下で行われるこの幻想的な光景も、そう長くは見られない。観覧船は鵜飼船から離れてゆく。しばらくして、6艘の鵜飼船が並んで川を下って来るのが見える。「総がかり」と呼ばれる漁だ。「ほうほう」という鵜匠達の掛け声も聞こえる。だが、この壮観な眺めも、あっと言う間に過ぎ去り、観覧船は岸へと戻って行く。

続く
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