会津横断鉄道旅行(9)

磐西・只見ぐるり一周号(只見駅)(1)
只見→小出(只見線)

 温泉を出て、只見川の岸を歩く。青く輝く川と、赤く色づく柴倉山の眺めが素晴らしい。立ち去り難い気持ちを抑えて只見駅へと向かう。
 只見駅の方からは、大勢の人々が歩いて来る。しばらくその理由がわからなかったが、只見駅に着いてようやくわかった。前日も乗り、そしてこれから乗ろうとしている磐西・只見ぐるり一周号が既に到着していたのだ。14時6分に只見に到着した列車は、ここで40分以上も停車する。赤を基調とした車体の色が、駅の裏手の燃えるような山の色にマッチしている。

 反対側のホームに会津若松行きの普通列車が到着し、そして発車する。他の乗客達と同様に、私も残りわずかな停車時間を惜しみながらホームに佇む。

 14時50分、ついに磐西・只見ぐるり一周号が発車する。列車はみるみるうちに坂を登り山中に入る。そして田子倉トンネルを抜けると、目の前に田子倉湖が現れ、湖畔の田子倉駅を通過する。景色が見えたのも束の間、列車は長い長い六十里越えのトンネルに入る。トンネルを抜けると、そこはもう新潟県だ。紅葉に彩られた末沢川の山深い渓谷を下りて行く。
 15時23分、列車はようやく大白川に到着する。只見からわずか2駅だが、小出へと向かう時間の半分が既に経過している。六十里越えの道は半端ではない。
 大白川から先も、紅葉に彩られた渓谷が続く。越後須原を過ぎると、沿線の景色は次第に平坦となり、山々が後景へと遠のいて行く。この臨時列車を狙っていたのだろうか、沿線には三脚を構えた人の姿が目立つ。大きな魚野川を渡ると、まもなく上越線の線路が隣に現れる。そして列車は只見線の終点である小出に到着する。15時53分。

 この後新潟まで向かう磐西・只見ぐるり一周号は、しばらく只見線ホームに停車している。私は、一足先に上越線の上り列車に乗る。窓から見える新潟行きの赤い列車の姿は徐々に小さくなり、そして見えなくなった。

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