シルクロード鉄道旅行-第5弾(アルマティ→シムケント)(1)

アルマティ空港(1)
1日目

成田→北京→アルマティ

 空はよく晴れている。大船駅は、お出かけ日和に誘われた人々の群れでごった返すが、横須賀線ホームに停まった成田エクスプレスに乗り込む人影は少ない。やがて出発ベルがホームに鳴り響き、ドアが閉まる。13時43分、成田エクスプレス27号は静かに発車。
 横浜・東京を過ぎて、車内はようやく本来の賑わいを取り戻す。あっと言う間に時間は経って、15時28分、成田空港に到着。

 GWの初日ということもあり、チェックインカウンターの入口には長い行列ができたものの、その後はスムーズに進み、あっと言う間に出発ゲートへ。飛行機の出発を待つ間に、あれほど晴れていた空は次第に曇り、そして大粒の雨が降り出す。この悪天候のせいで、18時20分に出発予定だった北京行きのNW11の出発が約30分遅れる。北京で乗り継ぐ必要のある私は少し心配になったが、この程度の遅れならば大丈夫そうである。

 北京へのフライト自体はとても順調であった。そして21時40分過ぎ(北京時間)に北京空港に到着。日本とはうって変わって非常に蒸し暑い。早速、到着ゲートから入国審査場へ向かう途中にある乗り継ぎカウンターに行くが、係員が誰もいない・・・・。もう少し待てば誰か来るのか、それとも永久に来ないのか判断しかねたので、一旦中国に入国することに決定。健康チェック表や税関申告書に慌てて記入する。こうなるとわかっていれば、機内で書く時間は十分にあったのだが・・・。

 予想外にガラガラの入国審査を抜けて到着ロビーに出て、すぐに出発ロビーへと向かう。そしてエア・アスタナ(北京-アルマティ便を運行するカザフスタンの航空会社)のカウンターへ行くと、何と長蛇の列。しかも列がなかなか前に進まない。それは、乗客の数というよりもその荷物の量がすさまじいからだ・・・。一人あたり、大きなトランクを最低でも5個くらい持っている。カウンターの係員の表情もウンザリしている。もともと中国の人は旅行時の荷物が多い。だが、他のカウンターを見てもこの量は圧倒的だ。私は、前回の旅行におけるウルムチ駅での光景を思い出した。この便の乗客の大半は、中国とカザフの間で交易する商人なのではないだろうか?
 ようやくチェックインを終えて出国審査に向かうと、ここでも長蛇の列。23時近いというのに、その勢いは衰えそうにない。全ての手続きを終えたのは23時過ぎだ。暑さと疲れを癒そうと、まだ開いていた唯一の売店に飲み物を買いに行くと、そこには多数の客が殺到してレジが大混乱。不運なことにクレジットカードのリーダーも故障したらしく、店員さんの奮闘むなしく混乱に拍車がかかるばかりだ・・・。そのため、飲み物一つ買うのに20分以上を費やす結果となった。
 ようやくのことで出発ゲートに到着。だが0時30分に出発予定のアルマティ行きKC888は、出発時間が約30分遅れることになった。1時頃、ようやく出発。日本時間ならば2時であり、もう眠くてたまらない。機体は新しく、とてもきれいで、機内のサービスもとても良い。北京を離陸するや否や私は眠りについてしまう。こんな時間にもかかわらず周囲で機内食や飲み物が振舞われているのをおぼろげに感じながらも、夢から覚めることができない。

 目が覚めると、そこは既にアルマティの上空だった。他の都市とは異なり、起伏の無い真っ平らな地面に灯りがまばらに点在しているのがわかる。ほどなくして飛行機はアルマティ空港に到着。時刻は、カザフ・アスタナ時間で4時40分過ぎ(日本時間ならば7時40分過ぎ)だ。アルマティは昼夜の気温差が激しく、夜明け前のこの時刻はとても寒い。滑走路上の人々は、ジャンパーを着込んでいる。
 カザフスタンの入国制度は最近変わり、外国人登録カードが不要になったと事前には聞いていたのだが(もちろんビザは必要)、実はカードはまだ健在で、入国時に記入が必要だったのだ。入国審査官にそれを指摘され、慌てて記入・・・。カザフでの出足で躓いてしまい、何だか嫌な予感がする。

 到着ロビーに着くと、早速タクシーを探す。こんな時間にバスは無いからだ。タクシーはすんなり見つかり、ホテルまでの価格を運転手に聞く。この国のタクシーにメーターは無いのだ。英語を流暢に話す運転手からの回答は妥当な金額に聞こえ、しかも、この国では数少ない正規のタクシーだったので、それに乗ることに決める。
 人気の少ない早朝の道路を、タクシーは快調にホテルへと走って行く。運転手と時折雑談を交わしながら、私は入国時に感じた嫌な予感など忘れてしまい、すっかり安心してしまっていた。タクシーがホテルの近くに到着し私が料金を払おうとする時、問題は突如発生した。運転手は、先程合意した(と思っていた)金額よりはるかに高額を要求。だが反論しようにも口約束だけでは証拠が無い。さらに運転手は、多額の現地通貨(テンゲ)を持たない私に対してユーロで支払いを求めて、「タクシーの標準価格表」なるドキュメントを見せる。そこには確かに価格がユーロで記されているのだが、信憑性は不明だ。しかし、ユーロなど持っていない私はドルでの支払いを要求するが、なぜか拒否される。しばらくの応酬の後、何とかドルでの支払いを認めさせたものの、元の要求額(それ自体かなり不当なのだが)よりさらに上積みされてしまう・・・。昼間ならば両替屋に行けば済む話なのだが、この時間帯ではそれもかなわない。疲労と、不意を衝かれた動揺のせいで、ゴネる力も失っていた私は、結局要求額を払ってしまった・・・。運転手は「この国では、もうドルはダメなんだよ」と言って去っていった。この発言に何の根拠も無いことが後でわかるのだが、それは後の祭りである。

 心身共にクタクタになってホテルに到着。太陽が窓から差し込み始める頃、ようやくベッドで一休みする。

続く
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北京


アルマティ

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