立山・黒部 水流紀行(2)

画像
2日目

大町温泉→扇沢→黒部ダム(バス・トロリーバス)

 旅館を出た後、バスが来るまでの間に温泉街を散策する。この温泉街は比較的最近できたためか、区画がきちんと分けられていて、道もまっすぐ整然と並んでいる。古い温泉街に見られるような猥雑さが無い。まるで別荘地のような感じがする。しばらく歩いていると、とうとう雨が降り出した。「念のため」と思って持ってきた折り畳み傘は、朝から出番を余儀なくされる。

 8時28分、扇沢行きのバスで出発。バスは篭川の渓流に沿って山道を登る。途中に日向山の、こちらは本物の別荘地が見える。8時50分過ぎ、扇沢駅に到着。いつのまにか大粒の雨が降っている。
 しかし、こんな悪天候にもめげなかったのは私だけではないようだ。駅の中は大勢の観光客でごった返している。大行列の中でもまれながらトロリーバスの乗り場へと向かう。乗り場にはバスが何台も並んでいる。団体客は同じバスに乗らねばならないらしく、既に満員のバスの中に無理やり押し込まれる。個人客は比較的空いたバスに乗る。
 扇沢からは、北アルプスを貫く5km余りの関電トンネルが黒部ダムへと伸びている。このトンネルは一般の車両は入れず、一般の人は電動のトロリーバスに乗らねばならない。
 9時、トロリーバスが出発。バスは真っ暗でまっすぐな道をひた走る。しばらく行くと、長野・富山の県境標識が現れる。長野と富山を直接結ぶ道は、おそらくここくらいしか無いだろう。富山側に入って少し進むと、今度は「破砕帯」の標識が現れる。破砕帯は、岩が細かく砕けて地下水を多く含む軟弱な地層だそうで、うかつに掘り勧めると水が湧き、地盤が崩れる。わずか数十メートルの破砕帯を掘り進めるために多大な時間と労力と犠牲が払われた。自然の力が封印され塗り固められてできた空間を、バスは進む。それからしばらくして、ようやく黒部ダム駅に到着。9時16分。しかし、ここはまだ真っ暗な地下の中であった。

続く
目次へ


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック